きみがすき
第16章 *ジュウゴ*
*櫻井*
「智くん。」
目的の人物を見つけ声をかける。
大「え?…翔くん!どうしたの?!」
居るはずがない俺に驚きつつ、笑顔で駆け寄ってくる。
「や、最近智くんに会ってなかったから、顔見たいなって。」
大「なにそれ、気持ち悪~い(笑)」
「ひっで!(笑)」
大「ふふ。仕事?」
「そ、こっちまで来る用事があったから、ついでに挨拶がてら寄っただけ。智くんの会社にはお世話になってるしね。」
ほんとは嘘だけど。
「俺、今日はこのまま直帰なんだけど、智くん定時に上がれる?ひさびさ飲もうぜ?」
大「あ…最近ちょっと忙しくて。」
「今日やらなきゃなんない仕事?
いいじゃん今日くらい。ほら、俺下で待ってるから、定時で終わらして来てね。じゃ、また後で。」
かなり強引に話を進めて、智くんの返事も聞かずに出入口へと向かう。
大「え、ちょっと翔くん!」
出ていく寸前、離れた所にいた二宮くんと目が合う。
少しだけ笑ってオフィスを後にした。
*
二宮くんから連絡があったのは先週。
『大野さんの、話を聞いてあげてください。』
二宮くんから連絡があったのは初めて。
3人で飲みに行った日に何となく交換した連絡先。
しかも深夜。何事かと思ったよ。
詳しく内容を聞こうにも『勝手には言えない』と頼ってきたにしては強情で、ただ智くんが元気がないと。
ま、そんな流れで今日になるわけだが
はぁ…確かにねぇ…
何あれ。
痩せてるわ、顔色悪いわ、なのにへらへら笑ってるわ。そんなんで良く遅くまで仕事してんな。
てか誰か止めろよ。ブラックかここは。
まぁ止めてもやるだろうね頑固だから。
人の体はしつこいくらいに「健康第一」だの「健診行ったのか」だの、お袋かってくらい言ってくるくせに。
自分のこととなると、てんで無頓着。
そしてスイッチが入ったかのように周りが見えなくなるんだから。
ったく、何やってんの智くん。
二宮くんも、どうにかしようとしてくれたんだろうね。気まずそうなのは、他に頼ざるおえないことが悔しいのか。…んなガキじゃねぇか。
じゃぁ…原因が俺にとっては好ましくない内容だと思ったか。二宮くんの事だから、俺が智くんに好意を持ってたことくらい気がつているだろうしね。
ま、本人に聞けばわかることだ。
「智くん。」
目的の人物を見つけ声をかける。
大「え?…翔くん!どうしたの?!」
居るはずがない俺に驚きつつ、笑顔で駆け寄ってくる。
「や、最近智くんに会ってなかったから、顔見たいなって。」
大「なにそれ、気持ち悪~い(笑)」
「ひっで!(笑)」
大「ふふ。仕事?」
「そ、こっちまで来る用事があったから、ついでに挨拶がてら寄っただけ。智くんの会社にはお世話になってるしね。」
ほんとは嘘だけど。
「俺、今日はこのまま直帰なんだけど、智くん定時に上がれる?ひさびさ飲もうぜ?」
大「あ…最近ちょっと忙しくて。」
「今日やらなきゃなんない仕事?
いいじゃん今日くらい。ほら、俺下で待ってるから、定時で終わらして来てね。じゃ、また後で。」
かなり強引に話を進めて、智くんの返事も聞かずに出入口へと向かう。
大「え、ちょっと翔くん!」
出ていく寸前、離れた所にいた二宮くんと目が合う。
少しだけ笑ってオフィスを後にした。
*
二宮くんから連絡があったのは先週。
『大野さんの、話を聞いてあげてください。』
二宮くんから連絡があったのは初めて。
3人で飲みに行った日に何となく交換した連絡先。
しかも深夜。何事かと思ったよ。
詳しく内容を聞こうにも『勝手には言えない』と頼ってきたにしては強情で、ただ智くんが元気がないと。
ま、そんな流れで今日になるわけだが
はぁ…確かにねぇ…
何あれ。
痩せてるわ、顔色悪いわ、なのにへらへら笑ってるわ。そんなんで良く遅くまで仕事してんな。
てか誰か止めろよ。ブラックかここは。
まぁ止めてもやるだろうね頑固だから。
人の体はしつこいくらいに「健康第一」だの「健診行ったのか」だの、お袋かってくらい言ってくるくせに。
自分のこととなると、てんで無頓着。
そしてスイッチが入ったかのように周りが見えなくなるんだから。
ったく、何やってんの智くん。
二宮くんも、どうにかしようとしてくれたんだろうね。気まずそうなのは、他に頼ざるおえないことが悔しいのか。…んなガキじゃねぇか。
じゃぁ…原因が俺にとっては好ましくない内容だと思ったか。二宮くんの事だから、俺が智くんに好意を持ってたことくらい気がつているだろうしね。
ま、本人に聞けばわかることだ。