きみがすき
第17章 *ジュウロク*
『怒ってる』
そのフレーズに、やっぱりそうだと心当たりが確信に変わる。
「ごめんなさい。」
相「え?」
「俺、最低なことしてた。本当にごめん。」
相「…。」
相葉ちゃんが眉間に皺を寄せる。
こんな顔、見たこと無い。
ちゃんと謝らないと…
「あの…マフラー、借りっぱなしで、ごめんなさい!」
申し訳ないと、頭を下げた。
相「…へ?」
「ほんとは、2人で遊んだ日に返すつもりだったんだ。でも玄関に忘れちゃって。ずるずるそのままに…」
相「ちょっ、ちょっと待って!
ねぇ、本気でそれで俺が怒ってると思ってるの?!」
「…え?うん。 だって俺、これじゃ借りパクじゃん。相葉ちゃんが怒るのもわかるよ…。」
頭をあげて見た相葉ちゃんは、口をポカッと開けている。
相「マフラーなんていいよ!もうむしろあげる!大ちゃんっていつも首寒そうだから、使って。」
と最後にはぁぁ、と呆れたように、溜め息をついた。
…違うの?
じゃぁ何??
何で怒らせた…
相「大ちゃんって、天然?周りを振り回すタイプって言うの?
何考えてるか、俺わかんない。」
ズキ…
『だから何考えてるかわからないって言われるんだよ』
翔くんが言った言葉が蘇る。
今まで色んな人に言われてきた。もう慣れっこ。
…でも、
相葉ちゃんに言われると…すごく胸に刺さるな…。
けど、
もう変わるって決めたんだ。
例え間違っていたとしても、声に出して
思ったことは言うって。
「ごめん。
俺には、相葉ちゃんを怒らせてる原因がわからない。
だから…、教えて。」
相葉ちゃんの気持ちを教えて。
相葉ちゃんがどう思ったのかを教えて。
もっと、もっと
相葉雅紀のことを教えて。