テキストサイズ

きみがすき

第18章 *ジュウナナ*

*櫻井*




あっぶな。

智くんが捕まっているのは、二宮くん越しに見えていた。
気を付けてはいたが、智くんって気が付くと近くに居ることがあるんだよな…
本人は全く意識してないんだろうけど。
昔だったら忍になれたんじゃない?なんて。


「腹でも壊したのかと思ったわー。」

大丈夫。聞かれてはない。


大「なにその言い方ー、全然心配してないでしょ?」

この話はここで伝えるべきではない。


「心外だなー。智くんのことはいつも気にかけてるのに。」

二宮くんの推測だと②が濃厚ってことか。
つか、結局①でも気持ちに気がついた時点で②になるんじゃねーの?


大「なにそれ、気持ち悪~い(笑)」
…心外だ。
智くんを席に通すため二宮くんが席を立つ。
二宮くんと互いに頷く。


二「声。かけられたって誰か知り合いでも居たんですか?」

トラウマね。相葉雅紀の中にどれだけの影響が残ってるかは俺にはわからないが、二宮くんの様子からだと、その衝撃は強いものだったのだろう。

…そうだとすると、考え出した答えが『NO』となる可能性の方が高い。のかもしれない…


大「んーん。知らない女の人。達?なんか一緒に飲もうって。」

二宮くんが、俺にそれを話した意図。
『もしも』の時の為。か…
もちろん俺も二宮くんも、そんな結末なんて望んでいない。…見たくない。


「それはそれは、おモテになって。」

だから気付け。
今更起こった過去なんて変えられない。受けた傷だって、痛みだって残るだろう。


二「へぇ、大野さんやるー。」

でもさ、未来は如何様にも変えられるし、受けた傷は癒すことだってできるはずだ。


大「あー、2人してバカにしてる。」

だろ?相葉雅紀。


二「え?尊敬してるんですよ?」

だから、早く迎えに来てやって。


大「相葉ちゃん以外いらないよ。」

な?こんないい男がお前に惚れてんだぞ?


櫻・二「「ごちそうさまでーす。」」

それに、お前を思って一緒に心を痛めてくれる友人もいる。


大「もぉ!ぜったいバカにしてる!」

だから、早く智くんを迎えに来い。


二「あ、ばれました?」

やっぱり!と頬を膨らまし怒る智くん。

そんな彼を見守る二宮くん、と俺。


そんな、少し騒がしい夜。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ