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きみがすき

第18章 *ジュウナナ*

*大野*




『待ってて』と言われたあの日から、相葉ちゃんからの連絡は、まだない。



二「大野さん。飲みいきましょ?」
定位置の隣から、聞こえる声。
横を見れば、上目遣いで俺を見るニノ。


何処で覚えてきてんだ。そんな顔。
松潤か?
無駄に使ってるぞ。いいのか?松潤。

「…しょうがねぇな。」
そう呆れた様に言えば、

二「やった!」
と嬉しそう。

「今日は奢らねーぞ。」
そう言えば、

ニ「えー。けち。」
と唇を尖らし拗ねる。

いいのか!?松潤!

「毎度毎度奢ってられるか。破産するわ!」


ニ「えー…じゃぁ今日は割勘で良いですよ。」
ちょー渋々。
てか飲みには行くのね。



相葉ちゃんと話ができた、次の月曜。
俺はニノに謝った。
意図的に距離を取ってしまったこと。なんで、そうしてしまったか。
そして、もちろん相葉ちゃんとの事も話した。

ニノは、すごく心配していたと言って、そして少し怒って、頼ってもらえないのは辛かったと。
でも相葉さんの友達だから、話しにくいのもわかっていたと。

からのー、なっがーい事情聴取。

…げんなり。





あれから、まぁ良く誘われること。
請け負っていた仕事が一段落できたのもあるけど。
昼飯に夕飯に飲み。2日に1回のペース?くらいで。



気を使ってくれてるんだよね?

相葉ちゃんから連絡がないから。

松潤とも相葉ちゃんの話はしないのかな?

なんか申し訳ない。

そんなこと言ったら、また怒られるんだろうな。

だから…ありがとう。ニノ。


**


ニ「あーおいしぃー」
呂律回…

「ニノ?飲みすぎじゃない?」
珍しく酔ってんな。ひょいとニノからビールを取り上げる。

ニ「あ、泥棒ー」


「明日も仕事。二日酔いになるよ。」


ニ「いいじゃん、意地悪猫背ー。」
文句を垂れながらテーブルに突っ伏す。

めんどくさー

「明日は会うんじゃないの?松潤と。」


ニ「大丈夫ー。潤くん優しいからー。」
腕に顔を埋めたまま答える。

「あら、そう。」
幸せそうで何より。

ニ「…優し過ぎ…」


「ん?何?」


ニ「ねぇおーのさん?
なんで相葉さんは、大野さんが俺を好きだと思ったんだろぉ?」
腕から目を覗かせ俺を見上げる。

「…あーそれは…」

そういや言ってなかったな。

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