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きみがすき

第23章 *ぜろ*





相「ねぇ大ちゃん。」


「…」


相「? 大ちゃん?」

そんな伺うような相葉ちゃんの声は、俺の直ぐ耳元から聞こえてくる。

「……」


相「どうしたの?」

話すたびに、俺の耳と首に当たる息。


てか


どうしたの?



…じゃねぇ!!




時は数時間前に遡る


「もっと知りたい。」

そう、俺の想いを伝えさせてくれたのは相葉ちゃん。

そんな俺に相葉ちゃんは少しだけきょとん。として、でもすぐに「俺も大ちゃんのこと、もっと知りたい。」と嬉しそうに笑ってくれたんだ。

そして「でも、夜更かしし過ぎないようにしなきゃね。」とにっこり笑って付け加えた。




、のあと

早速、相葉ちゃん行きつけのラーメン屋さんを教えてくれたの。

相葉ちゃんって凄く食べるんだよ。あの細い体の何処に入るんだろうってくらい、大盛りのラーメンにチャーハン。びっくり。




からのー

相葉ちゃんち。


相「はい。紅茶。」
と、この間の様に渡されたカップ。

そして、前の様に俺の隣に座ってくれるのかなって思ってたらさ、相葉ちゃんが座ったのは俺の隣ではなく、だらといって離れて座ったでもなく


俺の、後ろ。

良く。かは知らないけど、カップルとかがやってそうな、男が女の子のことを後ろから囲む?ような、あんな体勢のやつ。


そしてさもこれが、いつもやってるじゃん。的に

相「大ちゃんの地元はどこだっけ?」

なーんて普通に会話を始めた相葉ちゃん。



そりゃ無言にもなるよね?!


え?


俺がおかしいの?


違うよね?


「あのさ…」


相「ん?」


「狭くない?」


相「あー、家具買ったからね。でも独り暮らしには丁度良いよ?」
と、くすくすと耳元で笑う。


っ~…わざとか!

「ねぇ!わかっててやってるよね!?
なんで俺の後ろに座ってるのってこと!」

流石の俺も、キッと睨みを利かせて相葉ちゃんを振り返った。

と、

相「嫌?」


「っ!!」
忘れてたけど、至近距離にあった 俺の顔を覗くように傾けた顔。



……

そりゃ…

…嫌かって言われたら…

「別に…嫌じゃない、けど…」


相「じゃぁ…駄目?」



駄目かって言われたら…

「…駄目じゃないけど…」


相「くふ。…なら良かった。」

と、相葉ちゃんは笑った。

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