
きみがすき
第23章 *ぜろ*
*
相「ねぇ大ちゃん。」
「…」
相「? 大ちゃん?」
そんな伺うような相葉ちゃんの声は、俺の直ぐ耳元から聞こえてくる。
「……」
相「どうしたの?」
話すたびに、俺の耳と首に当たる息。
てか
どうしたの?
…じゃねぇ!!
.
時は数時間前に遡る
「もっと知りたい。」
そう、俺の想いを伝えさせてくれたのは相葉ちゃん。
そんな俺に相葉ちゃんは少しだけきょとん。として、でもすぐに「俺も大ちゃんのこと、もっと知りたい。」と嬉しそうに笑ってくれたんだ。
そして「でも、夜更かしし過ぎないようにしなきゃね。」とにっこり笑って付け加えた。
、のあと
早速、相葉ちゃん行きつけのラーメン屋さんを教えてくれたの。
相葉ちゃんって凄く食べるんだよ。あの細い体の何処に入るんだろうってくらい、大盛りのラーメンにチャーハン。びっくり。
.
からのー
相葉ちゃんち。
相「はい。紅茶。」
と、この間の様に渡されたカップ。
そして、前の様に俺の隣に座ってくれるのかなって思ってたらさ、相葉ちゃんが座ったのは俺の隣ではなく、だらといって離れて座ったでもなく
俺の、後ろ。
良く。かは知らないけど、カップルとかがやってそうな、男が女の子のことを後ろから囲む?ような、あんな体勢のやつ。
そしてさもこれが、いつもやってるじゃん。的に
相「大ちゃんの地元はどこだっけ?」
なーんて普通に会話を始めた相葉ちゃん。
そりゃ無言にもなるよね?!
え?
俺がおかしいの?
違うよね?
「あのさ…」
相「ん?」
「狭くない?」
相「あー、家具買ったからね。でも独り暮らしには丁度良いよ?」
と、くすくすと耳元で笑う。
っ~…わざとか!
「ねぇ!わかっててやってるよね!?
なんで俺の後ろに座ってるのってこと!」
流石の俺も、キッと睨みを利かせて相葉ちゃんを振り返った。
と、
相「嫌?」
「っ!!」
忘れてたけど、至近距離にあった 俺の顔を覗くように傾けた顔。
…
……
そりゃ…
…嫌かって言われたら…
「別に…嫌じゃない、けど…」
相「じゃぁ…駄目?」
…
駄目かって言われたら…
「…駄目じゃないけど…」
相「くふ。…なら良かった。」
と、相葉ちゃんは笑った。
