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きみがすき

第24章 *いち*



でもなぁそろそろスタッフ増員は必要かな。

最近は客入も良く、俺と雅紀は店に出突っ張りだ。有り難いことではあるけどな。でも体を壊したら元もこも無い。



チン。と店内に響くレジの音。
俺の後ろでレジ締めを始めた雅紀。

「さっきさ、歌ってた曲って誰のだっけ?」


相「ん?さっき?…あぁ!嵐だよ。」


「あーそうだ嵐か。
…あ、そーいや前から思ってたんだけどさ、大野さんって嵐のリーダーに似てない?」

かずも言ってた。なんか目鼻だちもそうだけど…なにより綺麗なとことか似てる。と思う。

相「…えー…?そう?似てる?かなぁ?」

そんな声と共に、ジー…。とレシートが印刷される。

相「う~~ん…。」

完全に考え込んでしまったのか、印刷が終わってるのに次に進む様子がない。

「いや、そんな考えなくても。ただ俺はそう思っただけだし。」
苦笑いをしながら雅紀の方を振り返る。
と、雅紀は顎に指を当てたまま天井を見上げ、その顔はなんとも…嬉しそう…?

相「ま、ちょっと似てるかもしんないけど、大ちゃんの方が格好いいし、なにより可愛いかなぁ。」
あ、リーダーには申し訳ないけどね。と付け加え微笑む。


…良く恥ずかしげもなく


大野さん。あんた凄いね。

「はいはい。惚気んな。」


雅紀のこんな顔、俺見たことねーわ。


相「え?今の惚気かなー?」
えへへ。と今更照れてるけど、確信犯だなこりゃ。

相「だって、大ちゃんが格好良くて、可愛いのはほんとだし…
あ!ねー潤?」


「ん?」


相「この際だから恋の話する?」
そう言ってニカッと無邪気に笑った。


…いやどの際だ?


相「じゅーんー?聞いてるー?」


「聞いてるよ!俺の腕をブンブンすんな!
わかったよ!
そのかわり手動かせよ。明日もあるんだからな。」

まぁ明日つーか今日だけど

相「お!潤ちゃんの恋バナ。レアぁ!
ちょー楽しみ♪
ちょっと待ってて。金庫にしまってくる!」

そう言って丁寧に売り上げを袋に入れ、それを持ってバタバタと奥へ駆けていく。

「走んな!」


相「ぁ…はーい。」

そんな広くない店内。歩いたって走ったって変わらない。
子供じゃねーんだから



「ふっ」
でも、笑っちゃうのは安心したから。
雅紀の方こそ、恋の話なんて激レアじゃん。



うん。今日は久々に語ろうか。

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