きみがすき
第24章 *いち*
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「え?泊まった?雅紀んちに?」
相「うん。次は泊まるって約束だったから。
でね!大ちゃんって面白いんだよー~…」
え?
ってことは…
「…シたの?」
相「した?何を?」
「何って…sex。」
相「…は?せっ…え?なんで?!ないない!!」
途端、心底驚いた顔をして、手は否定するようにブンブンと振る。
「…そうなの?」
相「もぉ!いきなり何ー?」
だって…
「一緒に寝たんだろ?」
相「寝たよ。ベッド1つしかないもん。」
一緒に寝たのに?
「寝ただけ?」
相「ぇ…ぁーキスはした。けど。」
と、はにかんだ雅紀。
…
相「え?潤?なんで無視?!」
「ベッドで?」
相「?違うけど…」
と俺の問に不思議そうに答えた。
…
…まぁ
泊まる=
とは限らないけど…
…でも
なんか引っ掛かる。
てか泊まりって…
俺達がそこまでいくのに何ヵ月かかったと…
いや、ペースとかタイミングとかそれぞれだ…うん。
相「ねぇ潤?」
「…なんだ?」(でもちょっと凹んでる)
相「した?って話だけど」
「…あぁ」(まだ凹んでる)
相「俺と大ちゃん男だよ?」
ん?
相「あれ?潤達も男じゃん。」
あ…もしかして
相「え?あれ?どういうこと?」
だからか…
*
「…あっ…ぁ…まっ……はぁ……ん!…」
休憩室に響く喘ぎ声
クチュ。グチュ。と卑猥な音
相「…っえ…わ…」
隣に居るのは雅紀。
その顔はフリーズ気味だ。
相「…」
そして無言へ。
同じく俺も
「…」
無言だ。
なんで…友達同士で男のヤってる動画観てんだ俺…
.
遡ること数分前。
最後に「男同士ってできるの?」と言う素朴な疑問にたどり着いた純な雅紀。
俺から教えて良いものかと迷いつつ…ほっとけなかった俺は、手を差し伸べてしまった。
つっても、ちょっと参考にしたサイトを教えただけだよ。
流石に口頭はさ…
そしたら雅紀の奴。
『1人で観るのヤダ』なんて言いやがって。
あげくには『わからないことがあったらどうするの?』とか言い出して…
「…あぁ…いく…ぁあぁ……ああ…!」
あ、イきました。
「…こんな感じだよ。」
相「…」
雅紀は両手で顔を覆い、はぁ…と息を吐き出した。