きみがすき
第25章 *に*
別に申し訳なくなることないじゃん。
なんて思っちゃう俺は、性格悪い?
なんて考えてたら「あー…だめだね。」と言い出した智さん。
大「気を付けて。なんて、小林くんがどういう人か良く知りもしないで、失礼な言い方だね。」
と、更にここに居もしない小林に気を使う。
…
そんなこと言ったら俺どうなんのよ。
この人、いつもこんな気遣いしてるのだろうか。
…ねえ、生き難くないの?
そんな優しくてさ…
だから心配なんだよ。そんな風がスースー通りそうな隙だらけで。
その優しさに漬け込むズルい奴がいたらどうすんの?
小林が、俺と智さんの会話に割り込んでくるのは、俺が智さんと仲良くしてるのが気に食わないからだよ。
あいつが狙ってるのは、俺なんかじゃなくて智さんだ。
大「まぁ飲みに行く約束しちゃったし、近々連れてってあげないとね。
そしたら小林くんがどんな子かわかるかな。」
そんな事をのほほん。と言う。
「えっ?ほんとに行くの?」
大「うん。約束したし。」
「なにそれ。俺の時は全然飲みなんて行ってくれなかったじゃん。」
大「え?ニノんとき?」
「俺が新人の時!俺とはぜんっぜん、行ってくれなかったのに、あいつとはさらっと行くの?」
大「ああぁ…だってニノ、俺のこと誘ってこなかったじゃん。」
それは…
「智さん、今と違ったじゃん。声かけにくかったし…」
それに俺は小林みたく空気が読めない奴じゃないんでね。
大「…あー。ね。俺指導者としてポンコツだったもんね。」
ごめんごめん。と俺には言葉だけで悪びれもせず、あはは。と笑う。
…なによそれ。
「で、ほんとに行くの?」
再確認。
大「…ねぇニノ?」
こてん。と首を傾げて俺を覗く智さん。
小林とは偉い違いの可愛さだ。
…いや違くて。
「なに?」
なにそのニコニコ。
大「妬いてんの?」
…は?
「はっあぁ?!なんで俺が妬くの?!
ただ俺は!普段から、ボーっと脱け殻みたく隙だらけなのに、酒飲んで酔っ払ったら、なにされるかわかんないよ!って智さんのこと心配してんの!」
大「あ、さらっと失礼なこと言ったな。」
「ほんとの事をじゃん。
飲みすぎて酔っ払ったら誰にでも抱き付いちゃうくせに。」
あいつと2人飲みなんて、俺が相葉さんの代わりに全力で阻止するわ。相葉さんの為にね。