きみがすき
第25章 *に*
大「あーそれ!
俺ね。治ったんだよ。」
と、グーにした手をぽんっ。と叩き嬉しそうに話す。
「え?なおった?」
大「うん。翔くんが治ったって言ってた。」
櫻井さんが?言ってた?
え?あの手の酒癖ってそう簡単になおるとかあるもんなの?
だって酒飲み初めてからのずっとの奇行でしょ?
てか、そもそも櫻井さんに聞いたって…本人覚えてない時点で怪しくね?
…
……
…ほんとにぃ?
と疑いの目で見ちゃうのは仕方なくない?
大「だからね、もうすきなようにお酒飲めるよ。俺。」
となんだか得意気だ。
…
……ほんとにぃ?
「…(疑いの眼差し)」
大「あ、なにその目。信じてないでしょ?」
えー…?
「……(疑いの眼差し継続中)」
大「うわ、まだやる?」
だって。ねぇ?
「…へぇ。それは良かったね。」(棒読み)
大「感情どこ行った?
って…もう!わかった!じゃぁ証明してあげる。
今日は飲むからね。付き合えよニノ。
あ、おにーさん!ビールおかわり。」
途中から面白くてふざけてしまっていた俺に、変なスイッチが入ってしまった智さん。
「あーうそうそ!冗談だよ智さん。
信じてるって。ほんとに良かったね。」
ごめんなさい。と謝って止める。
大「いい!百聞は一見にしかず。
ほら、ニノも飲むんだよ。」
と、さっそく届いた新しいビールを勧めてくる。
「え、や、ほんとに智さん。飲まなくていいから。あ、まぁ飲んでもいいけど、楽しくのも?」
大「いいや、俺は飲むぜ。」
と俺の制止なんてどこ吹く風。
てかキャラ変わってますけど?
ぐびっぐびっ。と飲み始めた智さん。
やばい。全然引かない。
そんな焦ってる俺を横目に、あっという間にビールジョッキを飲み干した。
大「っあー美味しいぃ。さ、次は何飲もうかなぁ♪」
メニューを見ながら口角をニヤっ。と上げる。
え?なにその顔。
…
……
ほんと…
なおったんだよね?
ねぇ櫻井さん?
大丈夫なんだよ…ね?
……
…