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きみがすき

第25章 *に*

*櫻井*






……

大「ニノぉ~抱っこぉ」


ニ「はぁ?!まっ…っわ、おっも!」

俺の前には、店の前でイチャイチャしている男子2人。

大「ねぇねぇニノ?俺のことすき~?」


ニ「なに言って……ぁやっ…ちょっ、どこさわって!っくは…っ擽ったっ…!」

いや、セクハラ先輩と嫌がりつつも満更でもない後輩か。

大「ふふ。ねぇキスしよ?」
後ろから抱き付き、くりん。と二宮くんの顔を覗き込む変態小悪魔男…いや智くん。

ニ「ぇっ……って!するかボケっ!!」

バシーン!と頭に1発。
いやいや、その前に一瞬ぐらついたな。

大「った~…なんで殴るの??」


二「なんでもクソもあるかっ!」

て、観察してる場合ではないな。そろそろ本気でセクハラで訴えられそうだ。


「二宮くん。」


ニ「…え?あ!櫻井さん!
櫻井さぁぁん!!」
助けて!と言う二宮くんのその瞳は涙目だ。

大「あ~翔くんだぁ~どうしたのぉ??」
そして上機嫌の変態…智くんは、デロデロだ。


…あんたら何してんだ…


***


『櫻井さんのウソつき!』

そう、二宮くんからクレームが入ったのは30分ほど前。

俺はね、会社に残って頑張って仕事してたんですよ。
年度当初から何かと新人対応やら、夏のイベントへ向けての準備なりで忙しいもんでね。ええ。


そんな時に鳴った携帯。
二宮くんからの連絡ってさ、智くんに何かあったとか、いつもあんまり良い事ではないからさ、今度はなんだ?って心配したんだよ。

したらさ
電話の奥で、てか近くで「えへへぇニノぉ?」とか「ニノこっち向いてぇ?」なんて言う智くんの声。

一瞬で状況がわかったよね。それと同時に一瞬で面倒くせぇ。って思ったよね。

こちとら、酒も飲まずに頑張ってんだよ。


***

二「櫻井さぁん。この人のどうにかして!」

…でも来ちゃう俺。
あーぁ…ちょー優しいな俺って。

大「しょぉくん見てぇ?ニノ捕まえたよ~?」
とヘラヘラ。

飼い主に捕った獲物を見せに来る猫か?
…怖ぇわ。


いまだにバックハグされている二宮くん。相変わらず細ーな。智くんの力だったら簡単に抜け出せるんだけどな。
大切な人を守るために少しは鍛えないと駄目だよ二宮くん。


「はいはい。智くん。こっちおいで。」

溜め息を吐きつつ、ベリベリと2人を引き離した。

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