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きみがすき

第26章 *さん*

*櫻井*




笑っちゃってごめん。
だってさ…

相「もぉ翔ちゃん。
笑い事じゃないよ。俺マジで焦ったんだから。」

そんなこと言うきみの顔は
「いやいや、相葉くんも笑っちゃってんじゃん。」

まるで…昔の俺を見てるみたいで、なんだか懐かしくなったんだ。
大変だよね。マジで。
この人、急に変な行動するからさ。


大きめに空気を吸い笑いをおさめた顔で二宮くんを見ると
唇をツンと尖らせている。


やべ…怒らせちゃったかな。

相「くふふ。大ちゃんぐっすり。」

相葉くんはというと、さっきの不安や焦りに満ちた顔はきれいに無くなり、目を細め、こんな状況でも気持ち良さそうに寝てる智くんの顔に視線を落とす。


ニ「……ねぇ…」

ぽつ。と聞こえた声。

相「ん?」

の先には相葉くん。

二「……ごめんね。…ありがとう。」
と、プイッとしながら小さく呟いた。
耳の縁は少しだけ紅い。

相「…あれ?ニノちゃん。そうとう酔ってる?」

ゴンっ!!

相「……ぃいっ!!!ってぇ~~!!」

あーありゃ痛い。弁慶だ。

ニ「っ煩い!あいばか!痛くしたんだよ!」


相「いっつ~…って革靴!なんだよ冗談じゃん~。」


ニ「だいたいなぁ!普通あんなんで誘拐だって思わねーよ!」


相「えー?そう?…えへへ。うっかり?てっきり?」


ニ「やっちゃったテヘ♪みたいなノリで言うな。」


相「いひひひひ。」
と楽しそうに満面の笑み。


…あぁ…ほらそうだ。


ニ「たく…もぉ……つか店は?大丈夫なの?」


相「え…?っあーー!!潤!!」
の声と同時に相葉くんの携帯が鳴る。

煩い!と今度は頭を叩かれた相葉くんは、それどころじゃないとばかりに慌てて携帯を耳に当てた。

相「あっ潤?あの…あのね。会えた。う…うん大丈夫!い、今ね、ちょーーど連絡しようとしてたとこ!」

しどろもどろか

相「あ!代わる!ニノに代わる!」
はい!と二宮くんに差し出された携帯電話。

二「潤くん?」


相「そう!潤が拗ねてる!」

『拗ねてねぇ!!』
と、携帯から小さく聞こえてきた松本くんらしき怒った声。

相「ぎゃっ!聞こえてた!
ニノ早く!」


二「…もぉなんなの?」
面倒くさそうな声とは裏腹に、その顔は満更でもなさそう。



ペースが掴めない処、ほんと似てるよ。


今夜は騒がしぃなぁ。

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