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きみがすき

第27章 *よん*

*二宮*




なんか…

見ちゃいけないものを見た…

気がする。


これでもかと眉と目尻を下げて、ほにゃほにゃな顔をして、砂糖と蜂蜜と練乳が混ざったような声を出した智さん。


相「大ちゃん?酒は飲んでも呑まれるな。だよー。」
くふふ。と意味わからなくもないが、今言うの?ってことを言って可笑しそうに笑う相葉さん。




……

いやいや。

実際笑えないからね?

こんなんじゃないのよ。酔っ払った智さんは。

さっきの留守電聞いたでしょ?
隣の客に絡みに行くわ、テーブルの物は落とすわ…危うく出禁だよ。
んでもってベタベタに絡んでくるんだよ。


と、相葉さんの言葉に智さんが、はっ!と細くなっていた瞳を見開いた。
起き上がろうと身動きをして伸ばした腕を、相葉さんが優しく掴んで、よっ。と肩を支え智さんを起こす。
「ありがとう。」と少し笑ったが、その顔は強張っている。

そのままキョロっと辺りを見回した先で俺と目が合った。

大「あ…ニノ……………やっぱり…俺やっちゃった?」
と気まずそうな顔で俺を覗きこんだ。


…う~ん。
なんて言ったら良いのかな。


「…智さん。暫く禁酒ね。」


大「…げ。」


「げ?」


大「あ、ううん!喜んで!」
と慌てて答える。

いいよね。
これくらいの意地悪。
ほんとーに大変だったんだから。

慌てる智さんに、ふふ。と笑えば、智さんはごめん。と謝って、少しだけ笑った。


もう、酔いは…覚めてるってことだよね。

となると、さっきの…相葉さんへのって、素なの?
2人の時って、智さんあんな感じなの?


相「大ちゃん禁酒かぁ…一緒に飲めなくなっちゃったね。」
何故だか一番がっかりしている奴。


つーか相葉さん。
貴方いったいどんなハートしてんのよ。
あんな甘えられた声にあんな顔されて、良く普通に笑ってられるな。
貴方に向けられてんのよ?
わかってんの?誰にでもじゃないんだよ。

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