きみがすき
第27章 *よん*
大「翔くん。」
ぽつ。と聞こえたのは大野さんの声。
櫻「…ん」
大野さんの視線の先には、ベンチから離れたところに居た櫻井さ…翔さん(←まだ言い慣れてない感)
大「来てくれたの?」
櫻「………あぁ、呼ばれたからね。」
翔さんの顔は…笑ってる。
けど、不自然。
大「ありがとう。…ごめんね。」
櫻「別に…。
つか、無茶な飲み方すんなよ。」
大「…うん。ごめん。」
…
……
え?何この空気…
なんかギクシャクしてない…?
喧嘩。でもしてんのこの2人。
大「…あの」
櫻「智くん起きたし。酔いも覚めてるみたいだから、俺帰るね。
じゃ、お疲れ。」
そう言い終わらないうちに、その脚を動かし離れて行こうとする翔さん。
大「あっ翔くん!まっ…」
相「ああーーー!!!!」
!!
…は?!
突然の相葉さんの大声に、その場に居た俺達プラス通行人までもが振り返った。
「っおい!煩いよ!何だよ急に!」
すいません。何でもないです。と行き交う人達にペコペコと頭を下げる。
相「俺、早く店戻んなきゃ!潤に怒られちゃう。
翔ちゃん。大ちゃんのことお願いね?酔ってるから、ちゃんと!家まで送ってね。お願いしたからね!約束だよ!」
え?
櫻・二「「は?」」
相「大ちゃんまたね。気を付けて帰ってね。
ニノ。何してんの行くよ。潤、待ってるよ。」
勝手に決めて、勝手に話を進めて、そして勝手に俺の鞄を持って走り出した相葉さん。
「は?え?相葉さん?ちょっと待ってよ!
ねぇ!俺の鞄!」
鞄を拉致られた俺は相葉さんを追っかけるしかなくて、きょとん。とする智さんと、ぽかん。としてる翔さんに、ろくに挨拶も出来ずに後を追った。
既に数メートル先を行く相葉さんが、急にくるっ。と振り返る。
相「大ちゃーん!!
家に着いたら連絡してねー!
俺もするからー!!」
ブンブン!と笑顔で大きく手を振って、またくるり。と前を向いて走り出す。
…なんなの?!
つーか、俺もアルコール入ってんだけど…!
お前、脚!はえーんだよ!!