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きみがすき

第27章 *よん*

*櫻井*




『俺のことすきなの?』




その"すき"は、友達としてか?それとも違う…?

言葉だけでは汲み取れなくて、視線を目の前の瞳に戻した。

そこには
呆れた瞳…ではなく、真っ直ぐ俺を見る瞳。



智くんの言った"すき"は後者。だ。





……


は?

「はぁぁ??すきじゃねーし。
つーかさ、この俺がまた智くんのことすきになるとかないから。自惚れんなバーカ。」


大「あっなにそれ!そんな言い方しなくてもいいじゃん!
それに、どうなのかなって確認しただけなのになんで俺、バカって言われなきゃなんないの?!」


「はっ。もし仮にだ。俺が本当に智くんのことすきだったらどうすんの?
そんな、ちょっとコンビニ行ってくるー。的な軽い乗りで気持ちの確認されたくないね。」


大「なっ…はぁ~?
軽くない!俺がいつそんな軽い乗りで聞いたんだよ!」

んなのわかってるよ。真剣に聞いてくれたことくらい。

ただ…

「僕にはそう聞こえましたぁ~。」やれやれ、これだから無自覚は。と肩を竦めて変顔をしてやる。

大「うーわ。僕とか言ってるし。似合わない。
その顔ちょームカつく。」

こんなやり取りが懐かしいなって。

「イケメン過ぎてごめんね?」

それで…
思わず顔が緩んでしまった。んだと思う。

大「……」

あれ?

大「…ぁー…ふふ…」

…?

大「んふふ…」


「……なんだよ。そんなウケる顔だった?」


大「くふふふ…あははは!」
急に腹を抱え込んで笑いだした智くん。

は?なに…?

大「くふっ…あ、あーごめん翔くん。
でも…んふっ。
だって俺ね、わかっちゃった。」

笑い混じりに、自信満々な顔。

「え?わかった?」


大「なんで、この頃俺を避けてたか。」

俺の顔を覗いて、にっこりと笑った。

…あ…

ヤバイ…

この感じ…極希に智くんの勘が当たる時のヤツだ…

大「くふ。翔くんさ…」

「っいい!言わなくて!つか言うな!」

慌てて目の前の口を塞ごうと手を伸ばす

…けど
その手を酔拳並みに軽やかに避け


大「ヤキモチ♪」




あぁ…


大「俺が、取られちゃうと思って寂しくなったんだ。」

確信的に、それはそれは嬉しそうに楽しそうに悪魔な顔をした。




あぁ

ヤダヤダ

これだから絶対言いたくなかったんだ…

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