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きみがすき

第29章 *ろく*



まぁ…争いはない。けども。
世の中変な奴はいるからね…

今となっては3人の鉄板ネタだ。そ。笑い話。

ん?あれ?
話がズレた。


大「…その子とは、会って話した。
お互いの家に荷物もあったし。

…同じ職場でね。その子のことすきになってくれた人がいたんだって。
俺…誕生日も記念日も忘れちゃうよう奴だったからさ。そんな俺より、これからはその人のことちゃんと考えたいって言われた。」


へぇ………ま、そうか。

「なら、心配ないんじゃん?
さっきのバイバイキンくんが、その子の弟っつーオチでもないんだろ?」


大「…うん。上にお姉さんしかいないから。」


「そ。じゃ気にすることないね。」


大「……うん。」


「?」


大「………」

黙りこくってしまった智くん。



……

まさか…

「まさかとは思うけどさ、こんな俺が…なんて思ってる訳じゃないよな?」


大「…………。」


……はぁ



あーあ…

くっっだらねっ!

「今まで、適当に人と付き合ってきた俺が?今となってはすきな人と付き合ってます?こんな俺なんかがいいのかな?って?」


大「適当って…」


「はっ。バッカじゃねーの?!
自惚れんなバーカバーカ。
今までの歴代の彼女が、どれだけ智くんのこと覚えてると思ってんの?!
女は上書き保存だ。すきな人ができた。彼氏ができた。それで終わりだ。
智くんはただの元彼。ただの思い出。今更、幸せになってズルい!酷い!なんて思ってくれる子がいると思ったら大間違いだ。アホ!」
まぁ…たまーに例外もいるけどね。

大「そっ………」
捲し立てた俺に、そんな言わなくても。とでも言いたげに口を開く。

けど、言い返してこないのは

安心。
したんじゃないの?


大「むぅ……じゃぁ男は?」


「ん?男?」


大「男は、なに保存?」


「…あぁー
男は別々にファイルに保存しとくって思考の人が多いみたいだけど。」


大「ふぅん。じゃ翔くんは?」


「え?俺?
俺は、ゴミ箱。」
この例えだとね。

大「ちょっ…」
また口を開けた智くん。

「なに?」


大「…ううん。翔くんって感じ。」
と微笑んだ。

「だろ?」
そうだよ。これが俺の、俺が決めた人生だ。


ま、智くんの事はゴミ箱になんて捨てないけどね。ややこしくなるから言わないけど。

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