きみがすき
第3章 *ニ*
また、しばらくの沈黙が続く。
智くんから話してくれるのを待つのも良いけど、ここは少しつついてみるか。
「その子さ、ホントに好きな人ができたのかな?」
智くん目が、一瞬俺を見てすぐにまた伏せた。
俺の勘はあながち間違ってないかな。智くんとその子の関係。
智くんは、軽く息を吐き、笑ってるけど今にも泣きそうな顔で「……いない。と思う。」 と口を開き、その綺麗な唇を噛み締めた。
うん、俺もそうだと思う。その子きっと今でも智くんのこと好きなんじゃない?
目は伏せたまま、大きく息を吐き、またゆっくりと話始めた。
大「俺さ、彼女のこと、ちゃんと好きだと思ってたの。大切にしたいとも思ってたの。いつかは結婚だって考えてた。
でも…。
昨日、彼女から好きな人ができたって言われて、
ごめんなさいって泣いてる彼女を見て、
俺ね…。
ホッとしちゃったの…。」
そう言うと、智くんはその綺麗な目から1つ涙をこぼした。