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きみがすき

第30章 *なな*



ニ「智さん…」

俺の言葉に、滝田くんにわかるかわからないか位に眉間に皺を寄せたニノ。

…小林くんの事になるとなーんでそうなんだろう…?
飯食べに行ったけど、特に変な人ではなかったよ?

滝「あ、じゃぁ二宮くんにも聞いていいかな?小林くんの仕事ぶりとかどう?何か気になることある?」


二「………智さんがよーく知ってるんじゃないですかね。」
つって、唇を尖らせた。



……何?まだ根に持ってんの?
黙って小林くんと飯に行ったこと?

てか…なんか機嫌悪い?

滝「え…?えっとぉ…」

もぉ滝田くんが困っちゃったじゃん。

「滝田くん。」


滝「え?あ、はい?」


「新人の育成は誰がするんだっけ?」

俺が投げ掛ければ、え?と滝田くんは止まる。
でもすぐに…あぁ。と笑って

滝「社員皆で。です。」


「だってよ。二宮。」

そう。指導者という役割はあるが、基本、新人育成は皆で行う。
じゃぁ指導者って?ってなるけど、主にはメンタル面のフォロー。仕事や職場環境、人間関係の悩みだったりの聞き役だ。だから、指導者になるのは話しやすさを重視して新人と年齢の近い若手が選ばれる。
勿論、話しやすい聞きやすい先輩として、仕事を教えたりするのは必然的に多くはなるし、1番身近にいるから評価者の1人にもなる。って訳。


ニ「…わかりましたよ。
そうですね…小林。くんは…」

何この元指導者と現指導者の掛け合い。とでも言いたげな目で俺を見て、でも直ぐに頭を切り替えたみたい。

二「俺とは仕事の絡みがまだ無いんで、見た感じになっちゃいますが、1つ1つの仕事は、丁寧にちゃんとやってると思います。周りも良く見て動くし。会議で意見求められても、オドオドせず自分の意見言えるのは流石この世代だなって。」

うんうん。

二「ただ気になるのは…」


滝「うん?」


二「私語。勿論、同僚とコミュニケーションを図る事は大切だし、その為に仕事以外の雑談は必要ですけど、取る場所とタイミングはもう少し考えた方が良いんじゃないかなって。
…ま、受身じゃここではやっていけないので上手く生かせば力になるかなって俺は思いました。以上です。」

へぇ。

滝「……はぁぁ…なんか感心。流石だぁ。
二宮くん。小林くんの事、良く見ててくれてありがとう。」

ふふ。でしょ?
ニノは俺の自慢の友達だもん。

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