きみがすき
第31章 *はち*
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「あ、うん!美味しい。」
口に広がる味に思わず本音が出る。
相「ふふ。良かった。
じゃぁ俺も。」
相葉ちゃんは、俺の反応を見て嬉しそうに笑って。「いただきまぁす♪」と丁寧に手を合わせた。
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電車とバスに揺られて、約1時間強。
何処に行くかはお楽しみ。と言われた俺は、連れられるまま。
着いたのはお昼前。
目の前に広がるのは、緑鮮やかな木々や、黄色や淡いブルーの小さな花達が咲く
森林。
さぁぁ……
と俺達の脇を通り過ぎる風は、さっきまでの暑さなんて忘れちゃうくらい、涼しく 心地良い。
避暑地。って言うのかな?
こんなところがあったなんて知らなかった。
基本、海派の俺はあんまり。と言うか山方面には殆ど来ない。
まぁ…それ以前に俺の行動範囲が狭いってのもあるんだろうけど。
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「相葉ちゃんのも美味しそうだね。」
相葉ちゃんが連れてきてくれたのは、その木々に囲まれた、それはお洒落なカフェ?レストラン?だった。
相「うん。ソースが特に美味しい。味付けは塩とオリーブオイルと…それに~…」
…ふふ。
こうやって色々なところに食べに行ってるのかな。
せっかくだからと、別々の料理を頼んだ俺達。
「ねぇ……俺も食べていい?」
なんて…ちょっと欲張ってみたり
相「もちろん!大ちゃんのも1口ちょーだい?」
そんなちょっとした事が
「うん。」
凄くドキドキして
でも楽しくて
相「ふふ。はい。じゃぁ交換♪」
たぶん
いやきっと
自分でもわかっちゃうくらい
俺も相葉ちゃんに負けないくらい、嬉しそうに笑ってたと思う。