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きみがすき

第4章 *サン*

*二宮*



彼女を傷つけたと、泣く大野さん。
自分を責めて、顔を歪める大野さん。

不謹慎だけど、そんな姿さえも、綺麗だなっと思ってしまう。

って言うか、大野さん彼女いたの?!
3年も一緒にいて気が付かない俺って。勘は良い方だと思ってたけど、ちょっとへこむ。

いやいや、へこんでる場合じゃない。
でも、こういうとき何て声をかけたらいいか、俺の人生経験では、引き出しはなくて、俺に出来ることって考えて、ハンカチ渡すくらいしか思い付かなかった。


顔をあげない大野さん、どうしたらっと思って、すがる気持ちで櫻井さんを見た。

櫻井さんはじっと険しい顔で大野さんを見ていて、その表情からは何を考えているのか読み取れない。

けど、櫻井さん、怒ってる?


と思ってからの強烈なデコピン。
あの音は絶対、絶対痛いやつ!!

ほら大野さんなんて、状況が掴めなくて顔がポカーンとしちゃってるし。



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