きみがすき
第4章 *サン*
「痛いよ、翔くん…。」と違う意味で涙目の大野さん。
櫻「痛いけど!痛くない!」
えー!何それ。思わず言いそうになるのを飲み込む。
櫻「智くんさ、その涙さ、彼女に対してじゃなくて、自分に対してでしょ。この際だからさ、はっきり言わしてもらうけどね!
彼女のこと好きになれなくて、でも俺は大切にしてましたって、でも上手くできなくて傷つけました。そして今はそんな自分に傷ついてますって。俺可哀想。的な?
くっだらねー。心配してマジ損した。」
と、スラスラと、もういっそ気持ち良いくらいに大野さんをディスる櫻井さん…。
さらにポカンとする大野さん。
「…だって、ちゃんと好きだと思ってたんだもん。」
もんって。可愛いな。
櫻「智くんっていっつもそう!女の子に好きって言われると、何となくで付き合ってさ。結局は好きでもないのに付き合うから、フラれてさ!大学の時からなんにも変わってないよ。」
もう櫻井さんは止まれないらしい。
「て、ゆーかさ、俺はその子と6年間続いていたことにビックリだけどね。てか、その子、俺の知ってる子?Aちゃん?Bちゃん?」
大「え?Cちゃんだけど。」
櫻「誰それ、俺知らないから!ほらね!智くんはいっつもそう。無自覚のたらしが。」
それは俺もちょっと思う。