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きみがすき

第32章 *きゅう*



*「うわ。マジ久しぶりッスね!
はじめ全然わかんなかったッスよー。
和也さん、どうしたんスかその頭?ちょー黒!」


和也さん。
潤さん。

と俺達を呼び、それに合わせて指をさし

ニコニコ、ツラツラと馴れ馴れしく話し掛けてくる。




……

え?

おまえ

「だれ?」


*「……っえ~!!ひどっ!
俺ですよ!俺!」

大「えっおい!ちょ…」

*「イチト!相葉イチト!」

何故だか制止?しようとした智さんの声が聞こえていたのかいないのか、今度は俺 俺。と自分を指さした。


アイバ…イチト……?

って…相葉イチト?

その名前は知ってる。
相葉さんの弟の名前だ。



言われてみれば、見覚えのある顔に聞き覚えのある声。

でも…

俺はこんなチャラい奴は知らない。
なに?そのでっけーピアス。
Yシャツの裾は外に出すもんだっけ?

だから…
もう1度聞く


「おまえ誰?」


イチ「あはは!和也さんひっで~(笑)」

いや笑えないよ?
お前の変わり様。
この数年で何が…?

思わず潤くんに助けを求めて見れば…

松「…イチト。お前ホストでもしてんのか?」

潤くんの顔は引き吊っている。

イチ「へ?え…ホスト??
してないっスよ?」


松「じゃぁ何?その格好。」


イチ「?…あぁスーツ?これは就活で。」



シュウカツ?
シュウカツってあの就活?え…?
…確かに…イチトは大学4年になるのか
つかもう夏だけど?遅くね?…あ…今は違うのか…


松「それでこの格好か?」


イチ「あはっ!そんなわけないじゃないスか。真面目にネクタイして、髪は7:3にしてましたよ?でも終わったし肩凝っちゃうんでネクタイ外して、髪も…立てたかったんスけどこれが限界で…」
と、とーっても残念そうな顔で、髪を指で弄った。

その隣では
額に手を当てて、はぁ…。と溜め息を吐いている智さん。




……

わからない。
何がなんだかわからない。

…けど
1つだけ言えるのは


イチ「あ、じゃぁ立ち話も何なんだし。折角だから飯行きます?」

相葉さんとは全然似てない顔で、でも似てる笑顔で飄々とそんな事をぬかす。

大「……」


「潤くん。」


松「あぁ。」


そう。確実に言えるのは
殴り飛ばすとしたら、智さんでも相葉さんでもなく。イチト、お前の根性だ。

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