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きみがすき

第32章 *きゅう*

*大野*




ニ「じーーー…」


とは、言ってないけどさ
ニノが何か言いたげに、何か聞きたげに
俺の事を見ている。


まさか…ニノと松潤に会うとは…

ニノの昼間の様子から、今日は松潤に会うのかな。なんては薄々感じてはいたけど

しかもこんなラブホ街で。
でもそうか…ニノと松潤は付き合ってるんだもん。こーゆう場所にいてもおかしくはない。寧ろおかしいのは俺達の方。




……

つーか
と、隣を見上げた先にいる
ニコニコ、ワクワクと笑っている奴。


イチ「ん?なに?なんか付いてる?
あ、潤さんが店の席空いてるか 聞いてくれるってよー。」

俺の視線に気が付いても尚、ニコニコ。

いや、ね。久しぶりにね、ニノと松潤に会えて嬉しかったかもしんないけどさ…

でも
「ちょっとこい。」
と、ぐいっ。とイチの腕を引いた。

イチ「おわっ!?っとぉビビったぁ…なに?」


「なに?じゃないよ。
こっちがなに?だよ。イチが誰にも言うなって言うから、俺、ニノにも松潤にも言わなかったんだぞ。」


イチ「え?あー、俺がおーちゃんと会ってたこと?
ごめんごめん。つい?テンション上がって?言っちゃった♪
つーかバレるのも時間の問題だったじゃん?」



……

そーかもしんないけどさ…



海で
『俺に会ったこと誰にも言わないで!勝手におーちゃんに近づいなんてバレたら……だからお願い!』
なんて、必死に言ってくるもんだから、思わず わかった。と言ったのは俺だけど…


「…黙ってるのも嘘ついてるみたいで嫌だったんだからな。」


イチ「…ぁ……そか…そうだよね…おーちゃんごめんなさい。

……でもさ、いー機会なんじゃねーかなって思ったんだよ。」
と、いきなり がしっ。と肩を抱き寄せられ…真面目な顔で覗かれる。

「? なんの?」


イチ「和也さんと潤さん。
おーちゃんのこと、心配してるよ?」


「っ…ぇ?」


イチ「話せば楽になるかもよ?」

…なに言って…

イチ「便秘と悩みは、放っておくと全身に毒が回る。って良く言うじゃん?」

いや知らないけど
…じゃぁなに?

イチ「俺いると話しにくいなら 消えるし?」

わざと?
…なんで?

イチ「へへ。俺ね。
兄貴リスペクトしてるけど、おーちゃんのこともマジ リスペクトだから。」

覚えてて。とニカッと笑った。

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