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きみがすき

第35章 *じゅうに*



ぽつん…。


1人フロアに残された俺。

なんだったんだ今の…
心配…してるのはわかったけど、あの慌てよう。


ぐるり。とフロアを見渡せば、既にテーブル類は綺麗に整えられていて、キッチンを覗けば、食器も洗浄機に入っている様だ。

すっかり俺達も手慣れたもんで、少しの空き時間があれば、次のお客がいつ来ても大丈夫なようにさっと準備できるほどになった。


相「〜…〜〜」

大「…〜…」

奥からBGMに混じって聞こえてくる、雅紀と大野さんの声。内容は聞こえないけど



……

…雅紀は…あの女(ひと)に会ったのかな。


相「〜〜…!」


あ、そうだ着替え…

この状況で、邪魔も何もないだろうと
俺は2人がいる休憩室へと足を向けた。



コンコン。

一応念のためノックしたドア。
でも返事も聞かずにカチャ。と開けて

「大野さん、もし下まで濡れてるようなら俺のロッカーに…うぐっ!」
大「松潤っ!」

入ろうとした俺に、ドンっ!とタックルをかましてきたのは大野さん。

相「あ!逃げた!」


「…いっつ…!な、に…?
って、裸?!!」

そして ガシ。と俺にしがみついてきた。
…下は履いてるけど…上は裸だ。
つか髪…タオルで拭きでもしたのか、所々ピョンピョンと毛先が立ち、ボサボサ。


大「松潤!聞いて!」

そう顔を上げた大野さん。

その顔の下にある体は…
予想外に、結構いい感じに引き締まり
普段服で隠れている部分は、案外肌、白いんだな。
なんて目に入ったもんだから観察してしまった。

大「あのね…」
相「見ちゃダメー!!」



大「ぶっ!」




な んなんだ…

さっきっから大野さん「あのね…あのね」って…
…そういや、なんで店に来たんだ?
雅紀に会いに来た…?ようには見えないけど


そんな疑問を抱いた俺の目の前には
すっぽり。と雅紀が持っていたTシャツを頭から被せられ、もがもがともがいている大野さん。

相「早く着て!」

そんでもって雅紀は雅紀で…なんか不機嫌?

……珍しい。


大「ぷっはぁ……もぉ!相葉ちゃん!うるさい!邪魔!!」

松・相「!!」



……

わー…大野さんに邪魔言われたよー

…あ、雅紀の顔が……


でも大野さんは、そんなの気にもとめず


大「ニノが待ってる!」

と俺に言ってきた。

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