きみがすき
第35章 *じゅうに*
かずが待ってる?
…今日は、かずと会う約束はしていない。
かずが俺の家で待ってくれてるってこと?
いやでも…なんでそれを大野さんに言って、それを大野さんが俺に伝える必要がある?
言葉の意図が掴めない。
だから俺は
「何言ってんの?」と返そうとした。
けど…
すぐ目の前の大野さん。
Tシャツを頭から被せられたから、ボサボサだった髪はペタンとなってて言っちゃなんだが面白い。
でもその顔は…じっと俺を見るその目は…そしてさっき俺へと向けた声は真剣なもので…
ふと、大野さんの後ろにいる雅紀を見れば、雅紀も大野さんのいつもと違う様子に
さっき「邪魔」だと言われ なんて?!!顔になっていた奴はもういない。
…
ふざけてるわけでも、からかっているわけでもないのはわかった。
だから俺は
「かずに、何かあったのか?」
そう問いかけた。
それに対し大野さんは
「…うん。」と頷く。
…
「……何があった…?」
正直…少し聞くのが怖かった。
でも
返ってきたのは
大「…わからない。」
…
……
はい?
わからない??
……やっぱり何言ってんだこの人。
と、
ぎゅ。と俺の腰を掴む手の力が強くなって
大「わからない。…けど、松潤を呼んでる。
だからお願い!ニノのところに行ってあげて!翔くんちに居るから…
俺!…あ…俺ができる事って言ったら皿洗いくらいだけど…お店手伝うから!お願い!ニノ待ってるんだよ松潤のこと!ね!お願い!」
「っちょっ…ちょっと待って!え?呼んでるって?翔くんちって、櫻井さんち??なんで??」
大野さんのその剣幕と、急な情報。
けど…何があったのか、なんでそうなったのか…さっぱり伝わってこない。
…
困って雅紀を見れば、目が合って
相「これからの時間帯なら俺1人でも回せる。だから潤。ニノのところに行って。」
そう、雅紀にも真剣な顔で言われる。
「…え、でも…」
相「駄目でもなんとかするから。
それにほら、大ちゃんが手伝ってくれるって言うしさ。」
そして今度は、にこ。と頼もしく笑って
その前では大野さんが うんうん。と激しく頷いている。
…
……
なにこの2人……だってお前ら…
…いや
今は
「大野さん。櫻井さんの家教えて。」
待ってて。かず。
すぐに行くから。