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きみがすき

第35章 *じゅうに*

*大野*




相「お待たせしましたー。」

そんな声と共にお店の中をあっちこっちに動くのは相葉ちゃんだ。


.


カラン。

お客さんが来たのは、松潤に翔くんちの場所を教えてすぐ。
相葉ちゃんは、さっ。と休憩室から出ていった。

でも、出ていく時に目が合って、その目は心配してくれてるみたいに見えた。


松潤は、さささっ。とエプロンを外し、ロッカーの中の荷物を取りつつ
松「大野さん。それ、下着まで濡れてるでしょ?これ使って。つかあげる。」

ズボンを指刺され ポイ。と俺目掛けて投げられたのは、箱に入ったままのパンツ?

「え?」


松「かずんちに泊まり行く時とか、予備で置いといたやつだから。
じゃぁ、店…と雅紀、よろしくお願いします。」

あっという間に準備を済ませた松潤。チャリ…と手に持っていたのは、きっと車の鍵で

「あ、翔くんちの駐車場1台分しか…近くにパーキングも無かったかも…」


松「え…あーマジか、どうすっかな……了解。ありがとう。じゃ。」
軽く手を挙げて、早足に休憩室を出ていった。




ふぅ…

ニノ大丈夫かな…

…松潤が行けば大丈夫だよね。


少しだけ肩の力が抜けた…と同時に感じた寒気

そして
カラン。と聞こえた音


そうだ、俺も早く行かなきゃっ

寒気を振り切るように、松潤から貰ったパンツと、相葉ちゃんが出してくれた黒のズボンに急いで着替えた。


.


相「大ちゃん 寒くない?
無理しないで休んでていいよ。」

皿洗いをしている俺の側に来て声をかけてくれる相葉ちゃん。

「大丈夫。動いてた方があったかい。」


相「……そう。」

やっぱり心配そうな目を向けられたけど、すいません。と呼ばれた相葉ちゃんは、離れていった。


お店には、平日の遅い時間だよ?って思わず言いたくなるくらい、お客さんは来て
そりゃ土日休みの仕事ばかりじゃないけど…


だから…余計に少しでも役に立てたらって
あ、もちろん着替えたし、髪はすっかり乾いたから、寒くないのは本当。



…ぁ
また目が合った。

時々、合う。相葉ちゃんとの視線…




そして
相「いらっしゃいませー。」
お客さんに向けるアイドルみたいなキラキラの笑顔




……

なんかこの状況

相葉ちゃんに初めて会った日のこと。みたい…



そんな事を考えてた。

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