きみがすき
第37章 *きみが・・*
「言う時とか困らないの?」
相「うん。困らないかな。俺や潤は店で通るし。お客さんも店かな。
あ、でも良く来てくれるお客さんは、隠れ家って呼んでくれたり、英語の名前付けてくれたり
結構すきに名前付けて呼んでくれてるかな。」
だってさ翔くん。
俺、知らなくても仕方がなかったじゃんね。
後で言ってやろー。
そうなると気になるのは
「なんで名前付けなかったの?」
相「んー?それはねぇ…
んふふ。内緒♪」
「え?なんで?」
相「俺と潤のヒミツだから。」
ヒミツ。とさっきの人差し指を唇に当てた
「えー?そんな言い方されたら気になんじゃん。教えてよ。」
相「ふっふー。ダメー。これはいくら大ちゃんのお願いでも教えらんないなー。」
「えー……ちぇ…ケチ。」
と、少し不貞腐れて相葉ちゃんを見れば、しっかり目が合って
相「いひひ。ごめんね。」
あ…
そう悪戯そうに笑う相葉ちゃんは、ちっともごめんね感はないけれど
その、少し少年の様になる笑顔
俺、密かに結構すきなんだよね。
相「あ、お茶。冷める前に飲んで?」
「うん。いただきます。」
…ごく。
と飲んだお茶は
「あ…美味しー。」
温かいのもあるけど、ほっとするような微かな甘味と懐かしい味
相「でしょでしょ?
俺、この紅茶すごく好きで。少し高いんだけど、ずっと取り寄せて飲んでるの。」
相葉ちゃんは紅茶好き
「へぇー。砂糖入ってないんでしょ?なのに少し甘い気がする。」
相「そーそー。仕事終わって疲れた時とか、良く潤と飲んで…?あ、れ?・・・・・・・・・・・
って!じゃなくて!!」
!
急な大きな声に思わず びっくり
相「めっちゃ和んだ!すごい良い感じな雰囲気になっちゃってたじゃん!」
「え?あ、うん。そうだね。
相葉ちゃんと久しぶりに話せたー。」
相「っ…へ…」
こんな風に話をしたのは、デート以来
と言うか、声を聞くのも、ましてや顔を見るのだってデート以来
そう気付いちゃったら、自分でもわかっちゃうくらい…嬉しくて、俺の顔はゆるゆるに緩んじゃってたんじゃないかな。
「俺ね。相葉ちゃんに言いたいことがある。」
考えた。考えたんだ。何を伝えようって
そして
辿り着いたのは
相「ぇ…なに?」
「すきです。」
とってもシンプルだった。