きみがすき
第37章 *きみが・・*
相「ぇ……」
小さく そう言ったのを最後に、会話は途切れた。
…
……
………
それは、間。と言うには、長い…数分間。
相葉ちゃんは、俺の言葉を聞いて驚いた顔をし、それからじっと俺を見て、口を真一文字に結んだ。
…何を思ったのだろう。
何を…考えているのだろう。
この間が、時間が…心臓をぎゅ。とさせる。
と、相葉ちゃんの視線が ふっ。とテーブルを向き、はぁぁ…と長い溜め息と共に、両手で顔を覆った。
相「ねぇ大ちゃん…」
「っ…あ、うん。」
不意に呼ばれてドキっとしたけど、精一杯、平静を装う。
そして、指の…隙間から覗く瞳とぶつかり…
相「馬鹿にしてんの?」
その瞳は、その声は…怒っていた。
「ぇ…してない。」
相「じゃぁふざけてんの?」
「っふざけてなんか…」
相「無意識…あ、そか。わざと。ね。」
顔から手を外し、冷たい声でそんな事を言う。
「なに…?俺なんも…」
相「してんじゃん!」
ピシャリ。
…
相「………はぁ…
本当にわかんないんだー。呆れるー。」
ついさっきまでとは、まるで別人の様な何かを逆撫でするような口調。
「……ごめん。」
相「ふっ。わかりもしないのに謝んないでよ。」
そして見たことない 苦い…笑い。
「ごめ…あ…」
相「はぁ…………あのさぁ…
俺、電話。したよね?何回も。メールも残した。
けど…全部無視。
なのに何?今更すきって。馬鹿にしてるとしか思えないけど。」
「っぁ…」
相「寂しくなった?それかタチの悪い暇つぶし?」
「違うっ!それは…!」
相「結局さ?俺の事なんてその程度だったんでしょ。」
っえ…?
………
相「大ちゃん、女の子にモテるんだってね。
…さっきも声、かけられてたし。
直ぐに彼女。できんじゃない?」
…
……なに それ
相「体も鍛えてるみたいだし。
そりゃ女の子の方がいっかー。」
……
………………ィラ…
相「あ。もう新しい人いたりして?
だからかー。連絡しても、うんともすんともしなかったのは。」
…
……
ふざけてんのはどっちだ
相「そっかそっか納得ー。」
そう言って、あはは。と俺を見もせずに笑った。
…
……つーか
この人
自分のこと 棚に上げ過ぎじゃねーか?