テキストサイズ

きみがすき

第5章 *ヨン*



暫くして、タクシーがアパートの前で停まる。

「智くん、起きてー。家についたよー。」
と、ゆさゆさと体を揺する。

大「う~?いえぇ?」
とうっすらと目を開けたけど、またすぐに夢の中。

ダメだこりゃ。
しゃーない。また担ぐか。

運転手に金を払い、智くんを担いでタクシーを降りる。

エレベーターあってホントよかった。
でも確実に明日は筋肉痛だな。

やっとの思いで、智くんの部屋の前にたどり着く。
俺のアルコールはすっかり抜けちゃったよ。

「バック、あさるよ。」と一応声をかけて、
部屋の鍵を取り出し、ドアを開けた。
お邪魔しますよっと、靴を脱ぎ捨てて上がる。

くん、
あ、絵具のにおい…。
絵、描いてるんだ。


智くんの家には何度も来てるから、部屋の配置はわかる。絵が置いてあるリビングを横目に、
迷わず寝室のドアを開けて、ベッドに智くんを降ろした。

腕…限界。
スーツのままだけど、どうするかな。
上着だけでも脱がすか。

スーツを脱がすために、智くんを抱き起こす。


大「ん、しょー…くん。」
と、智くんの腕が俺の背中に回る。

やばい!
と思ったときには、時すでにおそし。

智くんのその腕が、
キツいくらいに俺を
ぎゅうっと、抱き締めてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ