きみがすき
第6章 *ゴ*
「…はい。」
俺は、潤くんがすきだ。
初めて、ちゃんと自分の気持ちに向き合った。
認めてしまうと、
もっと辛くなりそうで、
ずっと、気が付かなければ良いと思ってた。
でも、
潤くんに会えるたびに、
声を聞くたびに、
名前を聞くだけでも、
苦しくて、
もうこの気持ちに
嘘はつけない。
俺が、返事をしてから
何も話さない大野さん。
でも、何でだろ。
顔は見えないけど、
きっと、あの柔らかい笑顔が、
そこにあるんだなって思った。
「潤くんは、大野さんのこと怒ってないですよ。櫻井さんが、上手くフォローしてくれてたので大丈夫だと思います。」
大「…そっか。翔くんにお礼しなきゃな。」
「大野さん。」
大「ん?」
「ありがとうございます。」
大「俺?何か感謝されるようなことした?」
ふふ、ホントに無意識なんだな。
「いえ、なんでもないです。
また、俺と飲みに行ってくださいね。」
大「?。もちろん、今度は飲み過ぎないように気を付けるね。」
大野さん、ありがとうございます。
俺、頑張ってみます。
まだ…直ぐには
素直になれないかもしれないけど、
この気持ち、大切にしたい。
待ってて、潤くん。