テキストサイズ

きみがすき

第8章 *ナナ*



相「送らせて!俺、車なの!」

という相葉ちゃんの申し出を、タクシーで帰るからって何度も断っている…
だけど…。

相「こんな遅くまで手伝ってもらって、
俺の気持ちが収まらない!」
って頑なに譲らない。

流石にそこまでして貰う義理はないって
思ったけど…
きっと俺が折れない限り、

この
「送る」
「送られない」
攻防は続くんだろうな。


「…じゃぁ、今日はお願いします。」
折れた(だいぶ無理やりだけど)俺に

相「うん!任せて!」と
胸を張って満面の笑顔。



……んー。相葉ちゃんの笑顔って、なんか…

相「直ぐに店、閉める準備するから♪」
と、またバタバタと行ったり来たり。

…俺も準備しよ。
借りていたエプロンを外す。

…ニノ、大丈夫だったかな。あの女の人、松潤の彼女なのかな…。俺が何かできる訳じゃないけど、心配くらいしても良いよね。



相「あ、エプロン!俺が洗ってくるから、
気にしないでぇ。」
とヒョイと俺の手から抜き取る。

あ。
「いい、俺が洗って返すから。」
取られたエプロンを取り返そうと手を伸ばす。

大丈夫♪大丈夫♪と
相葉ちゃんの頭の上にあるそれは、
俺には届かない。

背ぇでかいんだよ…

相「大丈夫だって、また来て貰うの申し訳ないしぃ。」
その言葉に思わず動きが止まる。

「…。」

なにそれ、もう来るなってこと?
さっき、よろしくって言ったじゃん…。

なんか、もやもやする。


「返してよ。俺が使ったやつだし!」
思わず声が大きくなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ