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きみがすき

第10章 *キュウ*

*二宮*


「大野さん。ここ、わからないんです。
教えてください!」

大「ん?どこ?
…あぁこれね。これはね…。」


「…やっぱり難しいです。何度やっても覚えられなくて…。すいません。」

大「うん。確かにちょっと難しいよね。
でも、手順さえ覚えちゃえば、けっこう使えるから。頑張って。」

「はい!ありがとうございますぅ。」

微笑んだ大野さんに、
その頬が紅く染まる。


↑↑
って俺じゃないよ!
頬染めてるの!

そう、まさに今、俺の隣で繰り広げられた会話。
大野さんに、仕事を教えてって来た女子社員。

入れ替わり立ち替わり何度目よ。
メモくらい取りなさいよ。
覚えられないんだったらさ。


てかさ、大野さんは俺の指導者だし!
同じグループの人に聞けばいいじゃん!


大野さんが彼女と別れたって噂が広まってからこんな感じ。
てか、大野さんに彼女が居たこと、ほとんどの人が知ってた事に俺はショックだけどね…。

とくに女子達の情報網恐ろしぃわ。
マジで。


そんな女子の気持ちを知ってか知らずか、
どんなに忙しくても、丁寧に教えてあげる大野さん。

うん。きっと女子の下心には、全く気が付いてないだろうね。
仕事モードだし。

薄々思ってたけど大野さんて、恋愛に関して鈍感だよね。
本気出したら直ぐに彼女できるだろうに。

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