相葉さんの恋人になる方法
第7章 臆病。
潤くんの罠にかかった相葉さんは、俺を抱きしめた。
突然の事でビックリしたけど、潤くんに妬いて
「にのは俺のなの!」
なんて・・・
嬉しくて泣きそうになった。
相葉さんも、俺の事・・・
だけど、潤くんの話を聞いて怖くなった。
女の子が好き・・・
当然だ。
今まで相葉さんは女の子とずっと付き合ってきたんだ。
歴代の恋人は皆知ってる。
俺は、その子達と同じ土俵に上がれるのか?
相葉さんが俺を意識してるのは分かった。
好きだって思ってくれてるかもしれない。
でも、きっと葛藤してる。
抱きしめていた俺を離した後の
「どうしよう・・・・・」
の言葉。
そりゃそうだよ。
男同士で恋するなんて・・・普通じゃない。
今なら相葉さんは、きっと普通の恋愛に戻れる。
俺の事は一時の気の迷いで済む。
相葉さんの幸せを考えれば、全て冗談にしてしまった方が・・・
なんて・・・
本当は俺が逃げたいんだ。
ここで想いが通じ合ったとしても、いつか俺の元を離れるんじゃないかって・・・
一時の気の迷いだったって言われたら、絶対に立ち直れない。
そうなれば、隣に居る事すら出来なくなるだろう。
俺に笑いかけてくれる事だって・・・
無理だ。
相葉さんの側にいたい。
恋人になんてなれなくていい・・・
A「にの?」
相葉さんの優しい声が聞こえる。
でも、涙を必死に堪えている俺は顔を上げられない。
A「店、出ようか・・・俺の家で良い?」
今はこれ以上一緒にいない方がいい・・・分かってるのに、拒否できない。
相葉さんに繋がれた手が温かくて。
離したくないって思っちゃうんだよ・・・
俺はバカだ。
やっぱりどうしても・・・
どうしようもなく、相葉さんが好きなんだ・・・