スイッチ
第19章 不安定なキモチ。
M side
M「ふぁ・・・・・っ、」
爽やかな朝のハズなのに、あくびが止まらない。
最近急に寝付きが悪くなって、疲れが取れていないみたいだ。
何でだ・・・?
特に悩みがある訳でもない。
まぁ、ヘコむ事はちょくちょくあるけど・・・
眠れなくなる程の事でもない。
無意識のうちに仕事でストレスを感じているんだろうか・・・
グループとしても、個人としても、もっと質を高めていきたいとは常に思っている。
こんなもんじゃないだろって。
俺たちなら、もっと出来るだろって自らプレッシャーを与えてきたけど、それが疲れとして出てきているんだろうか・・・
N「なに難しい顔してるんですか。」
M「・・・・え、」
N「ずっと自販機睨んでんだもん。怖いよ。」
まじか。
ダメだ、ボーッとしてるな俺。
N「・・・悩み事でもあんの?」
M「いや、仕事の事考えてて。ちょっと向き合い方改めた方が良いのかなーとかさ。」
N「・・・真面目だねぇ。俺朝からそんな事考えらんないわ。」
大げさに肩をすくめるカズ。
カズの方が俺より色々考えてそうだけどな。
M「あ。」
N「ん?」
俺の視線の先を見たカズが、嫌そうな顔をした。
「おはようございます。」
ニッコリ笑っているのは、先日仕事で一緒になった女優さん。
カズにわざわざお礼を言いに来てくれた可愛い子だ。
N「どうも・・・じゃあ、俺先戻るんで。」
愛想のかけらもなくカズが楽屋へ戻っていく。
さすがに冷たすぎだろ・・・
目が合って、なんだか申し訳なさそうに微笑んだこの子が気の毒になった。
M「ゴメン、いつもはあんな感じじゃないんだけど。」
「いえ・・・私、嫌われてるみたい。」
ほらもう!
女の子を傷付けてんなよ!!
だってこの子絶対・・・
M「カズ・・・ニノが好きなの?」
真っ赤になって俯いてしまった。
やっぱり・・・
カズはこの子が相葉ちゃんに惚れてるって思ってるみたいだけど。