スイッチ
第19章 不安定なキモチ。
M side
それにしても・・・
報われない恋だなぁ。
「私を好きになって欲しいとかは、思ってません。」
M「え?」
「無理だって分かってるから・・・でも、やっぱり尊敬してる気持ちは変わらないし、お仕事が一緒になるとドキドキしちゃって。」
頬を染めながら話すこの子がなんだか眩しくて切なくなった。
「何か、二宮さんが笑顔でお仕事してるの見れるだけで幸せっていうか・・・元気貰えてるんです!」
恥ずかしそうに笑って、俺をジッと見る。
「だから、私可哀想じゃないですからね?
そんな悲しそうな顔しないで下さい。」
M「え?!」
そんな顔してたのかな俺。
可哀想なんか思ってなかったのに!
M「ゴメン、違うよ!素直に、そんな良い恋してるのがスゴイなって思ってた。」
焦って弁解する俺がおかしたったんだろうか。
クスっと笑ったのを見て怒ってないんだとホッとした。
M「俺なんか最近恋してないからさ・・・羨ましいよ。」
「え?そうなんですか?」
M「そんな意外?」
「だって・・・恋してるオーラがすごいから。
大恋愛してるのかなぁって思ってました。」
M「えぇ?!」
恋してるオーラ?!
大恋愛?!
M「全然そんなの無いって!」
「・・・本当ですか〜?」
M「ほんとほんと!」
「じゃあ、気付いてないだけじゃないですか?
自分の恋に。」
・・・自分の恋に気付いてない?
「男の人って結構自分の気持ちに鈍感だから・・・
あ、ごめんなさい生意気いっちゃって・・・」
M「いや、全然大丈夫だけど・・・」
心当たり無いけどな、そんな相手。
「案外身近な人だったりして!」
飲み仲間か?