スイッチ
第19章 不安定なキモチ。
満面の笑顔でジュースを渡す潤くん。
翔くんにはちょっと甘過ぎるかも、なんてはにかみながら喋る様子を見て何だかいたたまれくなった。
すっかりご機嫌になった潤くんは鼻唄まじりに雑誌を開く。
自販機の前ではあんなに元気が無かったのに・・・
好きなんだな。
A「にのちゃん。」
N「なに。」
A「・・・分かりやすいね、松潤。」
苦笑いするしかない。
潤くんったら・・・ちょっと様子が変だな、どころじゃ無いじゃん。
N「翔さんは難しいよ・・・」
A「・・・・がんばれ松潤。」
N「がんばれって・・・言って良いのかなぁ。」
大野さんを見ると、またソファで寝ていた。
もう、頼りになんないな!
・・・とりあえず、様子見るしかないよな。
資料に集中している翔さんの横顔が、すごくイケメンで何だか憎らしく思えてきた。
あんたに負けないくらいのイケメンが、あんたに惚れてるっぽいですよー!
心の中で叫ぶと、ん?と翔さんがコッチを見て焦った。
S「なんか言った?」
N「い、言ってないよ!急に振り向かないでよバカ!」
S「え?!何でそんな不機嫌?!」
ぷいっと顔を背けると、ニノぉ〜っと情けない声を出してふざけだす翔さん。
ふざけてる場合じゃないっての。
この2人、どうなるんだろ。
俺が悩んだってしょうがないのは分かってるんだけど。
どうか、潤くんが悲しみませんように!!
手を合わせて祈る俺を見て、気付いた相葉さんも隣で同じように祈る。
S「何で俺拝まれてんの?!」
A「お願いします!」
S「何が?!」
・・・やっぱり焦ってる翔さんて面白い。