スイッチ
第21章 甘くて苦い。
A side
翔ちゃん、大丈夫かなぁ。
助手席に座るにのちゃんはずっと無言だ。
最近、仕事帰りににのちゃん家に行く時は自分の車で行くようにしていた。
その方が早くイチャイチャ出来るもんね。
それなのに、今日は窓の外をボンヤリ見つめたまま一言も喋らない。
そっと手を握ってみると、ピクリと反応したものの振り向きはしなかった。
車を降りて部屋へ向かう途中も、俺の後ろをトボトボついてくるにのちゃん。
俺の家じゃないんだけどな。
合鍵を使って玄関へ入る。
靴を脱ごうとしたら、後ろからズシっと重みがかかった。
A「にの・・・」
ぎゅうっと俺に抱き着くにのは、ボロボロと涙を零していた。
家につくまで我慢してたのか。
A「にの、大丈夫だよ。
翔ちゃんはちゃんと松潤を見てくれてるよ。」
何とかにのに向き合うように体勢を変え、背中をさすってやる。
N「ヒドイ事言っちゃった。
潤くんが元気ないのは翔さんのせいなのにって思っちゃって・・・
翔さん何も知らないのに・・・」
にのの靴を脱がせてやって、抱っこでリビングへ入る。
ソファへ座らせて、俺も隣に座った。
N「相葉さんが俺の方を向いてくれたのは奇跡なんだ。
翔さんにその奇跡を押し付けるつもりはないのに。」
A「にの、奇跡なんてそんな、」
N「奇跡だよ!男同士だよ?!
今だにたまに信じられないもん・・・相葉さんが恋人だなんて。」
A「え、ウソだろ。」
N「だって・・・全部夢だったらどうしようって思っちゃうんだもん。」
・・・やべぇ。
にのちゃんが可愛いっ。
話が終わるまでは我慢しようと思ってたけど・・・
堪え性のない俺は、にのをソファに押し倒すと舐めるようなキスをした。
A「夢じゃないよ、奇跡でもない。」
N「んん・・・っ、あいばさ、」
ちゅっちゅっと涙も舐め取って、耳たぶを甘噛みするとにのの腰が浮いた。
素直な反応に嬉しくなる。
N「ね、潤くんと翔さん、大丈夫かな・・・っ、ぁん!」
弱い耳を責めながら、既にぷっくりと固くなっている乳首を撫でてやると可愛い声で鳴くにの。