スイッチ
第22章 苦くて甘い。
S side
けたたましいアラームの音で、ムリヤリ目を覚ます。
S「ねむ・・・・・。」
最近忙しくて掃除も洗濯もままならなかったから、早起きして洗濯くらいは済ませようと思ってたんだけど・・・
S「むりー・・・・。」
かといって、このままベッドにいれば二度寝は確実。
がんばれ、俺。
うだうだとベッドで寝返りを繰り返していると、メールの通知音が聞こえた。
S「・・・お、ニノ。」
“ おはようございます。
こないだは、ゴメンね?怒ってる?”
S「はははっ、気にしてんのか。」
別に俺は気にしてないのにな。
結局ニノのおかげで松潤とちゃんと話出来たんだし。
今日の収録前に、会って謝るかメールで謝るか悩んでたってところかな。
S「“ 怒ってる?”だって。可愛いやつ。笑」
雅紀と付き合ってから、可愛さが増してる気がする。
感情豊かになったっつーか・・・
素直になったよな。
良い恋してんだなぁ。
いいなぁ・・・
俺が恋してたのっていつだ?
この数年、仕事優先で恋人を作らなかった。
恋人がいた時期も、雅紀とニノのように甘い雰囲気では無かったし・・・
ワガママ言ったり、ケンカしたりなんかした事ない。
S「俺も甘い恋人が欲しー!」
・・・叫ぶとむなしいな。
やめよう。
S「さっさと仕事行くかぁ。」
結局洗濯は諦め、適当に朝ごはんを食べて家を出た。