スイッチ
第22章 苦くて甘い。
M side
N「・・・ダメ?」
S「ダメじゃな、」
M「ダメに決まってんだろ!!」
カズが絡んでいない方の腕を思い切り引っ張った。
S「うわっ!」
両方から引っ張られて、翔くんが慌てる。
M「翔くんは俺と飲みに行くんだ!
お前は来んな!」
N「ひっど!潤くん冷たーい!」
M「お前は相葉ちゃんと行きゃ良いだろ!」
S「おいおい、2人ともどうしたんだよ〜」
A「翔ちゃん・・・嬉しそうだね〜。」
O「最近冷たかった末っ子たちに取り合いされてるんだからな・・・幸せだろう。」
A「うわ、すっごいデレデレ。」
O「さすがニノだなぁ、松潤が素直になってる。」
A「でも、ちょっとくっ付きすぎだと思うけど。」
O「・・・・・・。」
カズの策略や天然コンビのヒソヒソ話に全く気付けなかった俺は、やっぱりガキだったのかもしれない。
M「おい!翔くんもカズに甘すぎなんだよ!」
S「お前だって甘えて良いんだぞ?」
M「はぁ?!」
N「あ、潤くん顔真っ赤ー。」
M「うるせぇ!赤くねーよ!」
S「可愛いなぁ、やっぱり変わってない。」
M「なっ・・・もう飲みに行かねー!
2人で行けば!!」
S「拗ねんなよ潤〜」
M「拗ねてねーーーー!!」
S「口ごたえすんなって、いつが暇なのか言え。」
・・・なんだよ。
今日の翔くんは昔みたいに俺を軽くあしらうから調子が狂う・・・
M「・・・夜なら、別にいつでも。」
S「そうか。ニノはまた今度な。
潤、また日にち連絡するから。」
ポンポンと俺の頭を撫でて、ニッコリ笑う。
クソ、好きじゃないぞ。
尊敬してるだけだ。
飲みに行くのだって、いちメンバーとしてだ。
翔くんだって、気まぐれで俺と飲みに行くだけだろ。
・・・胸が痛い。
ドキドキして苦しいのに、ちょっとだけ甘いんだ。
こんな気持ち俺は知らない。
知らなくていいのに。
・・・目が合って微笑む翔くんが、憎らしい程カッコ良かった。