スイッチ
第8章 松本くんの提案。
M side
翔くんが予約した店はかなり高級そうな所で、案内された個室はかなり広かった。
芸能関係者も多く利用するらしいこの店は、他のお客さんと会う事が無いよう個室がそれぞれ離れていて、
一般の方とは入り口も別になっている。
M「スゴイ店だね。」
S「・・・聞かれたくない話がある時は、ここ利用するんだ。」
本当に色んな所を知ってるんだなぁと感心しつつ、聞かれたくない話がちょくちょくあるのか?と色々勘ぐってしまう。
S「適当に頼むぞ。」
翔くんはメニューも見ずに、店員にたくさんの料理を注文する。
M「そんな頼むの?!」
店員が出て行ったのを確認して、翔くんはジャケットを脱ぎドカッと座った。
S「いっぺんに頼めば店員の出入りも少なくて良いだろ?」
用心深いな。
M「そんな極秘話なんだ?」
S「まぁグループ内のカップルの話だし?
とりあえず乾杯しよーぜ。」
瓶ビールを雑にグラスに注いだ翔くんは、乾杯もせず一気に飲み干した。
M「・・・。」
O「かんぱーい。」
翔くん、やっぱ変だわ。