スイッチ
第9章 ひとりで。
プシュッとビールを開けて、半分ほど一気に飲む。
相葉さんは今何杯目のビールを飲んでるんだろ・・・
ふと、昼間にメンバーから貰った紙袋が目に入った。
相葉さんに見つからないようにカバンに突っ込んでいたから、クチャクチャになっている。
よくあんなプレゼントを思い付いたもんだよな。
しかも猫耳って・・・
仕事で付けた事はある。
だから相葉さんも俺の猫耳姿は知ってるんだよなぁ。
N「たいした反応ないんじゃないの・・・」
ガサガサと中身を出して、よく見てみる。
番組で付けたやつより、作りがしっかりしていてキレイ。
首輪も革だし、結構高そうな代物だ。
N「鎖まで付いてるし・・・てか猫にこんな首輪はつけないだろ。」
寝室にある姿見の鏡まで移動して、猫耳を付けてみる。
N「ふふ、ハロウィンみたいだな。笑」
どうせなら、相葉さんに見せる前に試着しておこう。
首輪も付けてみると、なんだか変な感覚になった。
なんだろ・・・一気に背徳感というか、自分がすごく弱い存在に思えた。
首輪に繋がった鎖が、余計にそう思わせる。
N「・・・あ、そうだシッポ・・・。」
シッポが付いたパンツを手に取って、ある事に気付いた。
これ・・・女性用??
お尻部分はシッポがある為、布の面積は小さくない。
でも、前が・・・
N「これ、絶対隠れないよね・・・」
よく考えたら、男がこんな猫のコスプレなんかしないよな。
そりゃ女性用だよ・・・
履いていたスウェットとパンツを脱ぎ、恐る恐るシッポ付きのパンツを履いてみる。
後ろから見ると、真っ黒な長いシッポが伸びていてホントに猫みたい。
パンツも黒だから、暗がりで見るとシッポとの境目が分からないんだ。
問題は・・・
くるりと前を向いて、鏡に自分の姿を映す。
俺のモノは全く布で隠しきれていない。
こんな中途半端に見せるなら、素っ裸の方が恥ずかしくない。
こんなの・・・嫌だ。
なのに・・・何で・・・
少しずつ反応していく俺のモノ。
自分のコスプレ姿見て興奮するってなんだよ。
鎖がチャリ、と音を立てた。
猫の耳とシッポが生えた俺が、涙目で鏡の中の俺を睨んでいる。
嫌だ・・・
気持ちとは反対に、どんどん形を変え硬くなっていく自分のモノに手が伸びる。