テキストサイズ

スイッチ

第11章 やっぱり波乱。


M side



やっちまったよ・・・


ついカッとなって、仲裁役のハズだったのにキレてしまった。


俺があの時キレずに相葉ちゃんを止めていれば、スタッフも騒ぎに気づかなかったかもしれないのに。


何でこんな短気なんだ俺は・・・


いつも冷静なリーダーや翔くんが羨ましい。
ああいう男になりたいと思うのに、全然近付けない。


リーダーじゃなきゃあの場をあんな簡単におさめられなかったし、翔くんじゃなきゃスタッフを足留め出来なかったと思う。


カズに手を出した男だって分かってるのに、頭を下げた翔くんは本当にカッコ良かった。


絶対出来ないだろうな、俺だったら・・・


スタッフに謝るのでさえ、不貞腐れた態度だったと自覚がある。


相葉ちゃんみたいに、大事じゃなかったんだという雰囲気で明るく振る舞う事すら出来ない。



前を歩くカズと相葉ちゃん。
カズを支えながら、微笑む優しい表情は本当に王子様のようだ。



俺だけホントかっこ悪い。



M「はぁ・・・・・・。」


それにしても・・・
翔くん、残してきたけど本当に大丈夫なのか?


カズには相葉ちゃんとリーダーがいれば大丈夫だよな。


M「俺ちょっと翔くん見てくる!」


皆の返事も聞かずに、来た道を走って戻った。




どこだ?


たぶん、人目につかない所で話してると思うんだけど・・・


M「あっ!!」


自販機の前のソファに並んで座っているのを見つけた。
確かに人通りは少ないけど、こんな分かりやすい所にいるなんて思わなかった。


そっと後ろから近付いてみる。



S「ニノに言ったであろう言葉をそのままお返ししますよ。」


翔くんの冷たい低い声。


S「分かってるでしょ?」


顔が見えなくても分かる。
すごく・・・怒ってる。
相手は何も答えない。


S「あなたじゃ勝てませんよ。俺に。」


今までどんな話をしていたのかは分からないけど、相手の男は完全にビビっている様だ。


S「俺の方が頭も要領も良い。こればっかりは年齢じゃない。
ただ年だけ無駄に重ねているあなたとは、そもそもの出来が違う。」



翔くんがキレてる・・・。
こんな冷たい口調で話す翔くん、知らない。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ