粉雪のファンタジー
第2章 *拓の告白*
『……雪は……
もうお前には逢いたく無いって、
言ってる……
お前宛に雪から手紙を預かった……』
『……』
『……雪の気持ちは……
手紙に全て書いてあると思う……
雪の気持ちは、
おまえに伝えたから、後は涼……
お前が決めろ……』
『……先輩……』
『俺そろそろ帰るから……
涼一人で大丈夫か?……』
……大丈夫な訳がなかった……
でもこれ以上先輩に迷惑は、
かけられなかった。
『……大丈夫です……』
『何かあったらまた電話して?……』
『……あの怒鳴って……
すみませんでした……
有難うございました。』
『……ドンマイ!涼!……
じゃあ、俺もう行くから!』
『ほんとにすみませんでした。
わざわざ有り難うございました。
気をつけて帰って下さい!』
別れ際先輩が……
『涼も辛いとは思うけど……
仕事は頑張れよ!!』
『……はい!……』
『……雪が一番辛いんだから……』
先輩の最後の言葉がいつまでも、
胸に突き刺さった……
……そう、一番辛いのは雪……
……そうだよな……
俺は雪の手紙を握りしめて、
先輩を見えなくなるまで見送った……
……先輩に感謝してもしきれ無かった……
……有難うございました……
俺の為に……