粉雪のファンタジー
第3章 *涼の決心*そして最終章~
それから俺は時間が許す限り、
雪に逢いに来た。
体力的に辛い時もあったけど、
何より俺が雪に逢いたかった。
そんな事が半年続いた……
…♪時々雪は俺と……
話す事さえ辛そうだった……
雪が咳込んだりすると、
俺が背中を摩ったりした……
ほとんど病院のデートだったけど、
今目の前に雪が居る……
その事だけで俺は幸せだった……
それにたまに雪の体調がいい時は、
車イスで病院の庭を散歩も出来た。
そんな時俺達は決まって、
芝生の上に寝転がって、
空を見上げる……
……俺はいつかのあの……
蒼い空の色を見た日から、
空を見上げる事が多く無った……
…~それはけして掴め無いけど……
何処までも続いている…·…
限り無い空が俺は好きだった……
……その日も雪と……
寝転がって空を見て居た……
『……雪……寒く無い?……』
『……大丈夫よ……
綺麗な空ね?涼……』
『……ああ……』
『……ねえ涼?……」
『……ん?……』
『……私……
病気になっちゃってごめんね……』
『……雪の……
病気事……愛してるよ……』
『……嘘つき……』
『……あ!……ヒデー!』
『…フフッ…
ねえ涼…?』
『……なに?……』
『……キスして……涼……』
……俺はそっと……
雪の唇にキスを落とした……
『……有難う……涼……』
だけどこの日交わした
キスが雪との最後のキスに、
なる事など二人には、
知るよしもなかった……