粉雪のファンタジー
第3章 *涼の決心*そして最終章~
雪と逢わなくなってから、
1週間が過ぎていた。
俺は雪の最期にだけは、
立ち会おうと……
携帯は肌身離さず持ち歩いて居た。
雪と知り合って2年目の、
今年もうすぐイブが、
迫ろうとしたある日の事……
時は……12月15日……
いよいよ俺の耳にとんでも無い、
速報が入ってきた!!
『第36回
プロアマフォトコンクール
一席入賞★優勝
高杉涼』
……俺は……
勝利を手に入れた。
……ついに……
未来の全てをこの手に掴んだ。
社長も章も仲間も、
全ての人が喜んでくれた。
……ただ……
一番祝ってほしい雪だけが……
……俺の傍にいなかった……
そしてその入賞式が、
12月20日……
東京フォーラムで、
行われる事に
なっている事を聞いた。
……ねえ……雪も……
喜んでくれてるかな……
俺はこの入賞を雪に知らせる事も、
出来ずにいた……
雪の死は確実に迫って来て居た……