TABOO
第1章 *初めての出逢い*
美沙はふと、
いつもと違う行動にでた。
“たまには小説でも
読んでみようか”
そう思いいつもの、
本屋に入ろうとした時、
一人の青年が声を掛けて来た。
『……ねえねえ……
お姉さん時間ある?……』
振り返るといかにも今風な、
青年が声をかけてきた。
ちょっぴり退屈な主婦と、
危険な香りのする青年の、
初めての出逢いだった……
『……ハッ?……』
『俺友達にバックレられちゃって、
夜まで時間あるんだ。
お姉さん付き合ってよ?……』
『……私結婚してるの……
他の子誘ってよ。』
可愛いい癖に昔から、
突っ張る所が美沙にはあった。
そんな所も人気があった。
『……あなた私より大分年下じゃない?……
もっと若い子の方がいいわよ?……』
『……歳なんて……
カンケーねーじゃん?……』
と言いニッコリ笑うと
眩しそうに美沙を見た。
……ほんとに私じゃなくても大丈夫じゃない……
そう思うのには理由があった。
くっきりした二重の瞳。はっきりした顔だち。
ファッション雑誌から抜け出たような美少年。
少し赤茶けた髪の色と、
思わず触りたくなるような、
サラサラの髪……
どれをとっても今時の女子高生が、
ほっとかないタイプ。
こんな子から、
声を掛けられるなんて……
もし私が両手一杯に、
スーパーの買い物袋を持って居たら、
この子は声を掛けて来たかしら?……