TABOO
第4章 *未来へ*
……運命の日……
次の日の朝夫をいつものように、
送りだしてから美砂は意を決して、
病院へ向かった……
『おめでとうございます。
妊娠2カ月めです。』
……そう……
美砂が向かった先は、
産婦人科だったのだ。
……ッツ……
2カ月……2カ月ならば……
レイとの子供に間違えは無かった……
『どうなさいました?産まれますよね?』
『……少し……
考えさせて下さい……』
『では3日以内に返事を下さい。』
『……はい……すみません。』
美砂は公園のベンチに座って、
空を見ていた。
……フッふふ……
なんて事だろう……
夫とはあんなに望んでも、
出来なかったのに……
フッ……アハハ……
……涙が溢れてくる……
……こんなに簡単に……
レイとの子供が出来たなんて、
なんだかおかしい……
……レイと私の赤ちゃん……
……この世で一番……
愛しい人の赤ちゃん……
下ろせる訳がなかった。
美砂の気持ちは、
すでに決心していた。
……夫とはもう……
一緒に暮らせないな……
今夜話そう。早い方がいい……
レイには?……
夫との関係が、
これからどうなるか
解らなかった美砂に、
余りにも悲しい結果が、
出ようとしていた。