TABOO
第4章 *未来へ*
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その日の夜の食事が終わってから、
美砂は話しを切り出した。
『……貴方……
大事な話しがあるの……』
『……どうした?……』
美砂は決心したように口を開いた。
『…私と…離婚して下さい…』
『……は?……
何かの冗談か?美砂……』
夫は耳を疑った。
美砂には何不自由のない、
生活をさせているのに離婚だなんて。
夫にとってまさに晴天の霹靂だった。
嘘のつけない性格の美砂は、
全て正直に話す事にした。勿論……
長期戦は覚悟の上だ。
『……離婚して下さい……』
『……はいそうですか……』
そんな簡単なやりとりで、
終わらない事など美砂も百も承知だ。
長い長い歴史の、
積み重ねが夫とはあるのだから……
……だがもう……気持ちを、
隠せない所まで事は進んで居る。
打ち明けるしかない。
たとえ……
夫に殴られたとしても……
『……お腹に……子供が居るの……
あなた以外の人との子供よ……
ごめんなさい、浮気してました。
降ろす気はないの……』
……勿論レイとの事は……
浮気ではなく本気だ。
美砂はそう言うと用意して居た、
離婚届けを夫に差し出した。