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TABOO

第4章 *未来へ*




……愛されていたと……
思っていた事が違ったからか……

……悔しさか悲しさか……

……でも……
夫を攻める資格は美砂にはない。
夫に聞こえないように、
声を押し殺して泣いていると……
戸を叩く夫。

……トントン……

『……どうしたの?……』

『紅茶を飲みに降りて来ないか?』

『……いいけど……』

美砂が下に下りて行く夫が珈琲を差し出す。

『……有難う……』

そして通帳を美砂に渡し、

『100万入ってるからこれからの、
生活費のたしにしてくれないか?
足りないお金はまた振込むから。
慰謝料の事もあるから、
居場所だけは落ち着いたら、
知らせてくれないか?美砂……』

『……慰謝料なんて貰う資格ないわ……』

『……美砂?……
俺も浮気してたんだよ?
そのぐらいはさせてくれ……』

『……でも……』

『……いいから……後相手の男とは
ちゃんと話しあえよ?』

『……彼には……
言わないで別れるわ……
子供は一人で育てて行く……』

『……どうして?……』

『まだ若い人なの。だから……』

『お前一人で、
平気な訳ないだろう……
何かあったらすぐに俺に言えよ?』

『……有難う貴方……』


『……美砂……愛して居たよ……』



『……私も愛して居たわ……
もう行くわ……』
















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