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TABOO

第4章 *未来へ*





美砂は部屋に戻り
荷造りを始めた。
夫の最後の優しさが
美砂には嬉しかった。
それと同時に二人の積み重ねた歴史が、
こんなに簡単に、
終わるものなのかと思うと、
涙が押し寄せてきた……








……レイ……



……さようなら……



…と、呟きながら……



ーーー
ーーーー
ーーーーー

次の朝…
夫は当たり前のように仕事に行く。
美砂に深々と頭を下げて……

……二人にとって最後の朝だ……

その日は美砂は、
ホテルに泊まる事にした。明日の朝、
不動産巡りをする為だ。
……そして朝……予定通り朝から、
美砂は不動産巡りをする。
なるべくなら、
レイと離れた場所がいい。でも……
やがて生まれてくる、
子供の事を考えたら……
都心がいい。と、考えていた。

ある不動産に入る。

『吉祥寺に一軒あります。
ちょっと都心から、
離れるかなあ?……
見に行きますか?……』

『あ、お願いします。』

しばらくすると、
都心から少し離れた
場所についた。

『ここです。六畳だけど、
キッチン風呂付きです。
近くに公園もありますよ♪
バス停は15分くらいなんで、
そこまで行けば、
都心にすぐ行けます。
いいでしょ♪~』

子供と二人で住むには、
調度よかった。
窓も大きい。
美砂も気に入った。

『いつから住めますか?』

『あさってには住めますよ♪』

『じゃあお願いします。』

『有難うございます。
じゃあ手続きの方を。』

10件目にようやく
決まったアパートだった。

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