ふたつの鼓動
第2章 1ヶ月ぶりの
カチャッ
「おかえりはなちゃん」
ソファーに座って微笑みながらこちらを向いたのは小さい女の子を抱っこしたママ
「ママただいま、つむ寝ちゃったん?」
ママの腕に抱かれて眠るのはまだ2歳の妹
月紬葵(つむぎ)
「そうなんよ。さっきまでほたと遊んどったんやがなぁ」
絵本が近くに置いてあるのを見て
読んでもらって寝ちゃったんだ と納得
「着替えてくるな。」
ママにそう言って階段に行こうと
後ろを向いた
すると、
「ッっっ?!...」
振り返ると目の前にいた人物に口を塞がれた
その人物をみて わたしが驚くとわかっていたとばかりに悪戯な微笑みを浮かべて楽しそうにわたしを見下ろしたのは...
......有弥
びっくりが強いが 次に苦しいが勝って
有弥によって塞がれた口で 手をガジッと噛んだ
「...ッテ......噛むなよ〜」
わたしに噛まれてやっと手を離した有弥が
ヒリヒリの手を撫でる
「...いるならいるって言えば良かったのに」
やっと口を解放されて 天邪鬼なわたしが発した言葉はまず、最大限の照れ隠しだった
顔を真ーっ赤にして抱っこしたままの穂大花に隠れるように顔を俯かせる
「おかえり、はな。ごめんな驚かしたくてさ」
二カッとわらいながら頭をグシグシとかく
「ハイハイ、いちゃつくなら二階でな。はなちゃん着替えてらっしゃい。ほたお風呂に入りましょ。」
後ろから見かねたママが声をかけた
こうゆうときママは本当に 配慮してくれる
穂大花をおろし ママのほうに預けると
有弥がわたしの手を握って二階へと足を運んだ